2016年4月19日 UXデザイン

モバイル普及率300%以上の急成長!アフリカの「秀逸アプリ」11選

海外アプリ必携シリーズの第2弾は、アフリカ。日本にはなかなか馴染みのない地域かもしれませんが、ヨーロッパにおいては人気のバカンススポットのひとつ。また近年はモバイル普及が急速に広まり、北アフリカをはじめケニア、ナイジェリア、ウガンダ、ガーナの五大都市では2002年と比較し300%以上の伸び率を記録しており、固定電話の普及というステップを越え、いまや10人中9人が個人のモバイルを所有しています。

今回は、そんなアフリカの人々のあいだで愛用されているスマホアプリをご紹介。アフリカでは圧倒的にサムスンなどのAndroid端末の普及率が高いせいか、現在GooglePlayでのみ配信されているアプリが多いという特徴も。
 
 

1. 宅配便版Uber!大人気の格安配達サービス

 
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日本でもバイクメッセンジャーサービスはおなじみですが、「Wum drop」は配達員をアプリで手配できるサービスです。Uberの配達サービス版といったところでしょうか。
必要な作業は、集荷場所と配送先を入力するのみ。価格は配送距離によって異なるシステムとなっており、1kmあたりR12(約89円)という安さが人気の理由でもあります。配送にかかる時間はもちろん場所によりけりですが、最短で40分程度。個人ならば15kgまで、法人ならば500kgまでの荷物に対応しているそうです。
現在は南アフリカのケープタウン、ヨハネスブルグのみで利用可能。iOS版も開発中であり、カバー範囲も今後広げていくほか、店舗からの配送サービスも検討中だそうです。
 
 

2. Netflixよりお得かも?映画大国ナイジェリアのストリーミングサービス

 
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ナイジェリアが映画大国という事実をご存知でしょうか?実は、ナイジェリアではハリウッドを超えた年間2000本以上の映画が制作されており、ナイジェリアの映画は頭文字を取って「Nollywood(ノリウッド)」と呼ばれ、アフリカ全土で愛されています。
そんなナイジェリア発のアプリ「IROKOtv」では、ノリウッド映画をはじめボリウッドや韓国映画まで、世界中の映画作品やテレビドラマ6000本以上を配信。しかも月額2.5ドル(約270円)で見放題という太っ腹なサービスです。一度Android端末にダウンロードすれば、オフラインでも視聴が可能。また、会員登録すればナイジェリア国外でも視聴できるとのこと。
ナイジェリアは歴史的背景から映画館やテレビ局の規制が厳しく、一般の人々は気軽に映画館に足を運べないといいます。しかし、アプリサービスにより再びノリウッド映画の人気が高まっているようです。アフリカを訪れた際はぜひ一度ノリウッドを楽しんでみましょう。
 
 

3. IT技術がアフリカ農家を救う、貴重なビジネスモデル

 
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アフリカにおける主要産業は農業。しかし一方で、農業だけで生計を立てるには様々な障害がありました。例えば、どの作物を栽培すれば最も利益になるか、今最も高値で取引される作物はどれか、という知識や情報が不十分なまま、育てる作物を決めなければならない点。そして作物を市場で売買するにも、適切な値段設定が設定されていないまま取引をしなければならないという点です。
「Esoko」はいわば、そうした農家を支援するためあらゆる情報を配信するサービス。シーズンごとの作物の市場価値や天候などの情報が、シンプルなテキストメッセージで登録者に送られます。その他、政府が認めた適正なバイヤーと農家とのマッチングまでおこなうことができます。
ガーナ発祥のサービスでしたが現在はアフリカ大陸内16カ国にまで広まり、6000以上の農家が登録しています。これによって農業がさらに活性化しただけでなく、フェアトレードも推進されるようになったといいます。「Esoko」も「iROKO」同様、ITが経済を救済した事例ですね。
 
 

4. ガーナのベストアプリ賞受賞、お手軽デリバリーサービスアプリ

 
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ビジネスや観光に疲れて「外で食事するのも面倒!」というときに便利なデリバリーサービスアプリ「Hellofood」。
まずは自分の住んでいる地域、レストランを選んでメニューを決めます。メニューによってはトッピングなどのカスタマイズまで可能。そして住所や連絡先をすればオーダーは完了。支払いは現金のほかモバイルマネーも選ぶことができます。アフリカにおける主要都市のほか、エジプトなどでも利用可能です。
英語のみですがボタンを押して選んでいくのみというシンプルな設計になっているため、操作に迷うことは無いでしょう。この利便性の高さから、ガーナではベストアプリにまで選ばれたアプリなのです。まさに旅行者にオススメしたいアプリです。
 
 

5. 神話の神々がパズルゲームで戦う!胸熱なテーマは万国共通

 
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モバイルユーザーが急増するアフリカでは、モバイルゲーム人口も増加しつつあります。
その中でも人気のゲームアプリが、Leti Arts社が開発した「Arica’s Legends」。アフリカ各地の神話や伝説にまつわるヒーローが登場する、パズルゲームと格闘ゲームが織り交ぜられたゲームです。さらに電子コミックとして楽しめるストーリー性も持ちあわせており、Google Play Storeでも数多くの賞賛レビューが寄せられています。特にアフリカの神話を現代風にしたというテーマがゲーマーからの支持を得ています。
日本で歴史をテーマにしたゲームが人気を博すのと同様に、国は変わっても神話や伝説を現代版にアレンジしたゲームは人気の的のようです。Google Play Storeで無料配信中の本作、気になる方はぜひ一度プレイしてみてくださいね。
 
 

6. アフリカでさらに進む電子マネー普及を後押しするアプリ

 
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現金を持ち歩くのが危険な南アフリカでは、M-PESA(Mぺサ)という電子マネーが広く浸透しています。M−PESAは携帯電話を利用した支払いサービスで、今や顧客は1000万人を超えるといいます。
アプリ「Safaricom M-Ledger」は、M-PESAの取引をスマホ上で行える優れもの。指定した携帯電話や口座の番号に送金したり、あるいは口座から電子マネーを引き出したり、さらに公共料金の支払いまで行えます。取引の内容はすべてスキャンされてアプリ内に記録されており、SMSとして受け取ることもできるようになっています。
このアプリの便利さは、今や当たり前のように電子マネーが流通している日本以上ではないでしょうか?アフリカなどの発展途上国では、治安の面からも電子マネー市場は飛躍的に成長中。今もっとも注目されている分野と言えるでしょう。
 
 

7. スマホで撮影、チャットで相談。次世代ヘルスケアサービスアプリ

 
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発展途上国ならではといえば、この「Vula Mobile」も注目のアプリです。
こちらはヘルスケアに特化したアプリで、カメラ機能を使ってアプリ内で健康チェックを行うことができ、もし異常があればそのまま専門家にチャットを繋いでもらうことまで出来るようになっています。健康に関わる情報の取得に専門医からのアドバイス、そして健康診断まで全てスマホのみで行います。

遠方に病院がある場合でも手軽に正確な診察にかかることができ、専門医も患者を早期に発見することができるこのアプリは、画期的なアイデアと技術を認められ、
MTN Businessより「今年最もイノベーティブなアプリ」として、賞を受賞。
Appleなども以前よりヘルスケアに注目していることから、世界中でこうしたサービスはますます求められるようになっていくでしょう。
 
 

8. エチオピア滞在なら必携のカレンダーアプリ

 
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続いては、さらにローカル向きのアプリです。私たちが普段しているカレンダーは西暦(グレゴリオ暦)を用いています。しかし東アフリカに位置するエチオピアでは、エチオピア暦という独自のカレンダーが用いられています。
西暦と7年ほどの誤差があり、ややこしいと言われるエチオピア暦ですが、この「Ethiopian Calendar」はエチオピア暦専用のスケジュールアプリ。エチオピアの祝日はもちろん、イスラム教の祝日などがエチオピアの母国語で確認できます。さらに西暦の日付も一緒に表示されるという配慮も。
エチオピアでは基本的に全てこの暦を使用しています。ビジネスや旅行で立ち寄った際に、とても活躍してくれそうですね。
 
 

9. アフリカにおけるNo.1メッセンジャーアプリといえばコレ!

 
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日本で代表的なメッセンジャーアプリといえばLINE、世界的にはWhatappが主流ですが、この「2Go」も多くのアクティブユーザーを持つアプリです。
チャットルームの作成、グループチャット、そしてオンラインゲームなど基本的な機能はLINEとほぼ変わりありません。「2Go」は、南アフリカのAlan WoffとAshley Peter両氏によって開発されたアプリです。ナイジェリアを拠点に、いまや南アフリカやケニアなどに2000万人以上のアクディブユーザーがいるようです。
アフリカにおいては、おそらく「2Go」が最もメジャーなメッセンジャーアプリといえるのかもしれません。LINEやWhatsappも含め、メッセンジャーアプリそれぞれに大きな差異は無いものの、地域によって大きくアクティブユーザー数が異なるのは面白いところです。
 
 

10. 地元民の重要行事に寄り添ったサービスを提供

 
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最後に、ご当地アプリである「Ramlocater」をご紹介します。
アフリカ西部に位置するナイジェリアにはSallah Dayという祝日があり、この日にはラム肉を振る舞うパーティを催す習慣があります。
「Ramlocater」ではこの「ラム肉パーティ」を開催している場所を探す事ができるというとてもニッチなアプリ。ユーザーはGPSを利用して近所でパーティが開催されている場所を見つけ、ホストへの申請が受諾されれば参加できるという仕組みです。
特定の地域専用サービスでありながらもデザインは洗練されており、現地の人々にとってSallah Dayがとても重要なイベントであることが伝わってきます。
 
 

番外編. アフリカでもやはりUberの存在は欠かせない

 
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おなじみ「Uber」は、アフリカ発のアプリではありません。しかし2012年にアフリカで初めてサービスが開始され、最近になってアフリカの6カ国で使用が可能となりました。ご存知の通り、アプリ上でタクシーを手配し、電子マネーやクレジットカードで決済可能。ドライバーの現在地までトラッキングできます。
現在ヨハネスブルグ、ケープタウンを中心に、ダーバン、ラゴス、ナイロビ、カイロで使用可能とのこと。先に挙げた「Wumdrop」のようなデリバリーサービスのリーダー格として、「Uber」は欠かせない存在です。

アフリカならではの文化的、歴史的背景を反映したユニークなアプリばかり。アプリのを見ているだけでも、現地の人々の生活習慣が伝わってきます。そして意外なほど、ユーザー利用に即した高度な技術とホスピタリティーの高いサービスばかりです。ITというとつい欧米やアジア地域に目が向いてしまいがちですが、アフリカにおけるIT産業の盛り上がりも今後見過ごせないものとなっていきそうです。
 

Yoichiro Shiba

ファウンダー兼CEO

大手シンクタンクにて金融機関むけのシステムコンサルティング業務に従事後、ソフトバンクにて海外ベンチャーキャピタルとの折衝、投資案件のデューデリを担当。当時ソフトバンクグループ会社内の最年少役員。その後、一部上場企業を対象に投資事業ポートフォリオ再編、バイアウトのアドバイザリー業務を提供、複数のIT企業の役員歴任。ロータリー財団の奨学生としてドイツBielefeld大学にて社会哲学を専攻。

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