2023年12月14日

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製造業界のDX推進とAI活用の展望

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みなさん、こんにちは。

株式会社アイスリーデザインの井上と申します。

本日は製造業界におけるDX推進の現状と課題を整理した上で、その解決策として注目されているAIについて事例を交えてご紹介します。

昨今様々な業界でDX推進やそれに伴うAI活用についての話題はつきません。製造業界においても同様に、生産性の向上や競争力の強化に向けた大きな変革を予示しています。製造プロセスの自動化や生産ラインの最適化にAIを活用することで、効率が飛躍的に向上し、品質管理が向上します。同時に、データ駆動の意思決定や予測分析により、リアルタイムな生産計画や在庫最適化が可能になります。

これにより、従業員は高度な業務に専念でき、新たなビジネスモデルや製品の開発が促進されます。将来的には、製造業はより持続可能かつ柔軟な運営が可能な次世代の産業構造へと進化すると考えていますが、まずは、製造業におけるDXの意義と目的について整理したいと思います。

製造業界におけるDXの意義と目的

製造業におけるDXの意義と目的は、従来の製造プロセスを変革し、テクノロジーを活用することで企業の競争力を向上させることにあります。DXは製造業において新しいビジネスモデルを生み出し、革新的なサービスや製品を提供するための土台を築く手段となっています。

DXの意義の一つは柔軟性と適応力の向上です。急激な市場変動や顧客の要求変化に迅速かつ効果的に対応することが求められています。DXはこれらの課題に対処し、生産プロセスやサプライチェーンを柔軟に調整することで、市場への適応を容易にします。

また、DXの目的はイノベーションの促進です。新しいテクノロジーの導入により、製品やサービスの開発が加速し、競争力の源泉となります。AIやIoTなどの技術を活用することで、製品の品質向上、カスタマイズ可能な生産、持続可能性への対応など、多岐にわたるイノベーションが実現されます。

製造業におけるDXの意義は更に効率向上にも関わります。生産プロセスやリソースの最適化により、無駄を削減しコストを効果的に管理することが可能です。これにより企業は競争力を保ちながら、効率的な運営を実現できます。

総じて、製造業におけるDXの意義と目的は、変化の激しいビジネス環境において柔軟かつ効果的に対応し、同時に革新的なサービスや製品を提供し、効率的な運営を実現することにあります。

製造業界のDX推進の現状の推移

製造業界のDX推進は急速に進展しています。過去数年で、企業は従来の製造プロセスにおいてデジタルテクノロジーを導入し、生産性向上と競争力の向上を図っています。特に、次世代技術の導入が進み、AI、IoT、ビッグデータ解析などが注目されています。製造業界は製品のライフサイクル全体でデジタルテクノロジーを活用しています。生産プロセスの自動化や予測メンテナンス、製品のデジタルツイン、サプライチェーンの可視性向上など、様々な分野でDXが展開されています。また、クラウドコンピューティングの普及やデジタルエコシステムの構築も進んでおり、これにより企業はデータのリアルタイムな共有や連携を可能にしています。これにより製造業者は迅速な意思決定が可能となり、市場の変動に対応できる柔軟性を高めています。

しかし、一方でDX推進には課題も残っています。技術の導入に伴う従業員のスキルアップや文化の変革、セキュリティの懸念、データの適切な活用などが挙げられます。

製造業界が抱える課題

  • 技術の導入に伴う従業員のスキルアップと文化の変革

新しいテクノロジーの導入にはそれに対応するスキルが必要ですが、従業員がこれに追いつくのは容易ではありません。これにはトレーニングや教育の提供が不可欠です。同時に、デジタル文化を受け入れ、柔軟性とイノベーションを奨励する組織文化の構築が求められます。

  • セキュリティの懸念

DXにおいてはデータセキュリティの確保が重要です。新しいテクノロジーの導入は同時にサイバーセキュリティの脅威をもたらし得ます。企業はセキュリティ意識の向上と十分な対策を講じる必要があります。

  • データの適切な活用

製造業は膨大なデータを生成しますが、これを適切に収集・分析・活用することが課題です。データ品質の向上やビジネスインテリジェンスの確立が求められ、データ駆動の意思決定が重要です。

  • 戦略的かつ持続可能なDXの計画と投資

DXの成功には計画的で戦略的なアプローチが必要です。適切なテクノロジーの選定、段階的な実施計画、リスクの評価と管理が不可欠です。また、投資には慎重かつ継続的な取り組みが求められます。

これらの課題に対処するためには、経営陣のリーダーシップ、従業員とのコラボレーション、継続的な教育・トレーニング、セキュリティ対策の徹底、データ活用の最適化が必要です。戦略的で持続可能なDXが成功すると、製造業はイノベーションと競争力の向上を実現できるでしょう。

AI機能別分類

これらの抱える課題を解決するにあたり、AIが注目されており、実際にAIを活用した製造業界の事例も増えてきています。まずはAIを機能別に分類していますので、それぞれの内容を確認しましょう。

予測

  • 需要予測

需要予測AIは、過去のデータや異なる要因を考慮して将来の需要を予測する技術です。機械学習アルゴリズムを利用し、販売履歴、季節変動、市場トレンド、広告効果などの情報を分析して、正確な需要の見積もりを提供します。これにより、生産計画、在庫管理、物流最適化などのビジネスプロセスを改善し、企業の効率性を向上させます。需要予測AIは小売業、製造業、サプライチェーン管理など様々な分野で応用されており、正確な予測は在庫の最適化やサービス向上に寄与します。ただし、外部要因や予測対象の変動に柔軟に対応するため、継続的なモデルの調整やデータの品質向上が必要です。

分類

  • 音声認識

音声認識AIは、音声データを解析し、それをテキストに変換する技術です。自然言語処理や機械学習を組み合わせ、人間の発話を理解しコンピュータが処理できる形に変換します。これにより、音声コマンドの受け付け、テキストへの変換、自動字幕生成、音声検索の実現など、様々な用途で利用されています。医療分野では医師の診断支援、ビジネスでは会話の記録と要約、スマートホームでは音声制御など、生活の様々な領域で応用されています。しかし、異なるアクセントやノイズに対する認識の精度向上や、プライバシー保護など、さまざまな課題も依然として存在しています。

  • 画像認識

画像認識AIは、機械が視覚データを解釈し理解する先進的な技術です。ディープラーニングとニューラルネットワークを駆使して、画像内の異なるオブジェクトや特徴を高度に識別・分類します。これにより、自動運転車の環境認識や医療画像の解析、セキュリティ監視の強化など、様々な分野で重要な役割を果たしています。また、画像認識AIは生産ラインにおいて製品の欠陥検知や品質管理にも活用され、効率と精度の向上をもたらしています。

  • 異常検知

異常検出AIは、通常のパターンと異なる振る舞いを検知し、異常な事象やデータを特定する技術です。機械学習アルゴリズムを用い、正常なデータの特徴を学習し、その後に入力データが正常な範囲内かどうかを判断します。これにより、システムやプロセスの異常な動きやセキュリティ侵害、機器の故障を検知することが可能です。異常検出AIは製造業の機械保全、サイバーセキュリティ、金融取引の監視、医療診断など、幅広い領域で利用されています。ただし、正常なデータのバリエーションや変動性に対応する柔軟性が求められ、高い精度を維持するためには適切なトレーニングデータとモデルの選定が重要です。

実行

  • 自然言語処理

自然言語処理は機械学習を組み合わせ、人間のように対話できるAIです。テキストベースでユーザーの質問や指示に迅速かつ適切に応答し、情報提供やタスクの実行を行います。オンラインカスタマーサポート、仕事の効率化、情報検索、友好的な対話など、多岐にわたる利用があります。トレーニングデータやユーザーフィードバックを元に学習し、日々進化しています。ただし、文脈理解や感情認識など、人間のような豊かな対話を実現するには課題もあり注意が必要です。

製造業界のAI活用事例

ここから製造業界のAI活用の事例をいくつか掲載していますので、参考にしてみてください。

アイリスオーヤマ株式会社:生産ラインの無人化

生活用品の企画・製造から販売まで行うアイリスオーヤマ株式会社のつくば工場では、LED照明の生産ラインの無人化に成功しています。基盤実装から製品の梱包までの作業を一貫して行うことで需要の増加にも素早く対応でき、高品質な製品の安定供給を実現しました。

URL:https://www.irisohyama.co.jp/news/2018/0424.html

株式会社ブリヂストン:製造工程の全自動化による生産量の倍増

タイヤメーカーの株式会社ブリヂストン彦根工場では、スタッフの負担を軽減するため、AIを導入して製造工程を全自動化しています。その結果、生産性は既存成型と比べて約2倍になり、品質は従来の製法と比べて15%も向上しました。また、全自動化によってスタッフの教育にかかる時間も大幅に削減されています。

URL:https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2016052502.html

株式会社ダイセル:画像解析による工場内の異常検知

エアバッグの基幹部品の製造を手がけている株式会社ダイセルは、画像解析により工場内で発生した異常を検知する仕組みの実用化に成功しています。複数のカメラから取得した画像データを分析し、監督者のウェアラブル端末にアラートを通知します。これまでに得られた画像データを蓄積・解析することで、不具合の原因の究明や改善が必要な箇所も把握できます。

URL:https://www.daicel.com/manufacturing/

株式会社グッデイ:需要予測による仕入れの最適化

ホームセンターを運営する株式会社グッデイは、AIの活用により需要予測の精度を向上させています。従来は属人的な方法で需要予測を行っており、機会損失が発生したり在庫管理に手間がかかっていました。データをもとに合理的な分析をした結果、在庫の最適化や売上増加を実現しています。

URL:https://www.fitco.jp/wp-content/uploads/H-9.pdf

キューピー株式会社:機械学習を活用したAI導入で検査効率を向上

食品メーカーのキューピー株式会社は、惣菜の原料検査にAIを搭載したロボットを導入しています。目視による検査は負担が大きく、ヒューマンエラーが発生するリスクもあるためです。AIの導入により、作業の効率化やスタッフの負担軽減につながっています。

URL:https://www.kewpie.com/newsrelease/2019/1152/

最後に

今回は製造業におけるDX推進の現状と課題、そして、それを解決するための手段としてAIをご紹介しましたが、AIはあくまで手段です。AIを活用できればなんでも解決できるというわけではございません。そのため、重要なのは、AIを活用して何を成し遂げたいのか。今ある課題が本当に解決できるのかを見極めることです。

弊社では、最新のAI技術の進化やモデルの陳腐化問題に対応し、適切な技術的ソリューションを提案する能力があります。また、ユーザー視点を重視したインターフェース設計やPoC開発の経験も豊富で、実用性の高いAIソリューションを提供します。ご興味ございましたら、こちらにお問い合わせください。

Yuto Inoue

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