デザインスプリントのビギナーとしての、個人的な6つの失敗

著者: Jack Strachan
Industrial Design student at Loughborough University Interning as a User Experience designer for Bosch Power Tools in Stuttgart.

こちらは、UX Planetから許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。
My design sprint beginner mistakes


http://www.gv.com/sprint/

直近の10ヶ月間

「デザインスプリント」はご存知ですか?5日間で行うもので、大きな疑問や問題を解決すべく、ユーザーとともにプロトタイピングやアイディアを試すものです。これはグーグルベンチャーにて、主にジェイク・ナップ、ブラッデン・コウィッツならびにジョン・ゼラツキーにより開発されたものです。

ここ10ヶ月の間、私は自分の研究の一環として、そしてインターンとしてBosch Power Toolsでいくつかのデザインスプリントに参加していましたが、そこまで経験豊富とは言えません。でも、今回の記事では自分の反省から、ものごとがうまくいった点、だめだった点、チームとしてデザインスプリントを改善するためにできることをお伝えしたいなと思っています。私の経験の中でも特に大きな失敗6つに焦点を当てることで、読んでくれた方が将来失敗を回避できるのではないでしょうか。

スプリントは、事業戦略、イノベーション、行動科学、デザイン思考などが詰まった「ベストアルバム」のようなもので、どんなチームでも使うことができます。
デザインスプリントは大事にされる一方、価値がわからない人もいますし、多くの収益を上げる人もいます。組織の大小を問わず非常に有益で、素早く問題を解決したり、ソリューションを検証して製品・機能またはさらに良い体験を市場にもたらしたり、ということが可能になります。
ここからは、私が参加したスプリントで体験した6つの失敗を紹介します。

この問題はどれぐらい大きいのか?

スプリントになりえる問題をどう選ぶかは、スプリントをどうやって実行するか、につながるため、とても重要です。だれかの丸一週間のスケジュールを空けることになるのであれば、その問題は相当に大きなものである必要があります。私が言いたいのは、相当に大きな問題でなければスプリントを行えないということではなく、時間が無駄だったと人に思わせたくはないですよね、ということです。スプリントは成功または失敗を学習するためのものです。

もし問題が大きくなければどうすればよいのでしょうか?その時は、スプリントのツールを使用すれば、問題の特定の領域を推進してそれらを取り除いて、見通しを明るくすることができます。特にスプリントのツールの中でもHow Might Weとsticker votingメソッドは、チームミーティングがより速く効果的になり、さらに重要な、ミーティングに出席した全員からの同じレベルでの理解を得られます。

始めよう、でも誰と?

スプリントの担当者の選定は複雑です。だれしもが丸一週間を空けるような時間や余裕があるわけではありません。デザインカルチャーのある小規模な組織に比べてヒエラルキーの透明性の少ない大規模な組織では尚更です。この担当者の選定で起こりうる最大の間違いの1つが、デザインスプリントはデザイナーのためにあると思ってしまうことですが、実際はそうではないのです。

スプリントに多様な経験を持つプレイヤーが欠けているとき、その結果はとても限定的なものにしかなりません。多様な経験がないということは、プロジェクト中に一定のソリューションを欠くことになります。この制約が原因で、スプリントの中で何をおこなっても、無意味に感じてしまいました。

終わりからの始まり

直接スプリントをするのがかんたんな場合もあります。自前のリサーチがあり、それを照合してインサイトを直接得たい場合、スプリントを直接行えばよく、その時はスプリントマップを作成しなくても、開始前にキーとなる質問をしなくても、よいのです。

デザインスプリントがあれば、最後の場面から始めたり、問題のソリューションの可能性をあらかじめ把握したり、どうすればそれができるかを検討したりすることがしやすくなります。インサイトを集めたりプロジェクトを立案する以前に、「プロジェクトの成功のために正しいのは何か」や「プロジェクトが失敗するとして、その理由は?」という問いを立てることが重要です。これらの問いを通して、好ましくない前提や誤りの発生する可能性を確実に除外することができます。

「How Might We」(どうやったら) うまくできるだろう?

How Might We (HMW) では不自然な感覚が得られます。HMWは、標準化されたアイデアを質問やフレーズを用いてチームの他のメンバーに理解させるためのフレームワークです。重要なのは、以前のユーザーリサーチや『専門家』とのインタビューとともに作成し、最も有効なものを票決することです。

自分がした失敗の1つは、こちら。リサーチを見たり、インタビューを確認する前に、自分の想定を優先して支持する傾向が人間にはあるといいます。このため、現実的な選択肢ではなく、自分の想定をいつも支持してしまうということです。これらの想定が、あらゆる段階でその後のスプリントの進捗を誤った方向へ導いてしまう可能性があります。

×をつけても、また×が…

スプリントマップは単純化することがとても難しいことに疑いはなく、複雑化や仮説の問いかけを好んでよくおこないます。スプリントマップが正確におこなわれれば、潜在的な製品や機能のユーザージャーニーの特定の部分でインサイトや疑問をビジュアル化するための、格好のツールになる可能性があります。これにより、チーム全体が重視したいことを正確に特定し、さらに、HMWの力とマップにより実現するビジュアル化を組み合わせることで、前進することがずっとかんたんになります。

私が何度も経験したことですが、このマップは完全に消えてしまうことがあります。スプリントのこの部分の重要性はおそらく失われていますが、マップやシナリオを失うことで、ユーザージャーニーの特定の部分におけるユーザーの泣き所に重点的に対応する機会を失ってしまいます。

以下に、スプリントマップをずっとわかりすくする、よい動画を紹介します。

  1. 自分たちが軽視されていると想定される場合
    自分の想定の中で迷ってしまうことはスプリントではとてもよくある間違いですが、事実、これが時間の無駄やユーザー第一にまったくなっていないという感想につながっています。以前、デザインスプリントについて話していたときに、「チーム第一のデザイン」というフレーズについてある人が言及したことがありましたが、(私個人としては同意しませんが)彼らはとてもよい点を理解していました。

ユーザーリサーチ、バックグラウンド業務または専門家のインタビューがおこなわれずにスプリントを開始した場合、HMWに挿入されるインサイトが仮定の多いものになってしまう可能性があります。その上、専門家のインタビューのバイアスを可能なかぎり排除できるかはその場のメンバーにより異なり、また、中立の進行役がいなければ、チームの想定の追跡が困難になる場合すらありえます。これは、組織の人々が自分の望むものとしか見ていないそのブランドへのつながりがとても強い場合に、彼らを「専門家」と想定するのが困難であることが理由です。

それらを見失い、スプリントを終えると、すべてのユーザーテストが高い確率でふり出しに戻ることになるため、ユーザー第一の手法で追跡を続け、アイデアを検証することが本当に重要になります。(あとになって言えることですが、失敗して学んだりといったすべてのことは、時折必要なことなのだろうと思います)

それでは私の結論とは?すべてを終えたということではまったくありませんが、これらの失敗を考慮すると、自分の経験からデザインスプリントはたんにデザインのためにあるのではないことを学んだという点を指摘することが重要なのかもしれません。これは問題解決とソリューションの検証のためのツールであり、幅広いコンテクストでの利用が可能です。さらに、デザインスプリントで使用される手法や技術を分離して、ミーティングでの問題解決から、より迅速な意思決定といった様々な状況で活用することもできます。

こちらは、UX Planetから許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。My design sprint beginner mistakes

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