2021年10月25日

インタビュー

企業と産業医をマッチングし、メンタルヘルスケアを促進する「産業医クラウド」&「ELPISシリーズ」

近年メンタルヘルスの問題が顕在化していますが、それは企業にとっても大きな問題となりつつあります。メンタルの問題による休職や退職は企業にとって採用コスト面でも痛手となってしまうため、社員のメンタルケアを放置することは大きなリスクとなってしまうのです。

株式会社メンタルヘルステクノロジーズは、早くからこの状況を予測し、メンタルヘルス対策に力を入れたい企業に独自にスコアリングし、企業の課題解決が可能な産業医を提供する「産業医クラウド」と、メンタルヘルスケアに関するクラウドサービス、例えばストレスチェックや医師へのカウンセリングサービス等の「ELPISシリーズ」を企業に提供する同社の代表取締役社長である刀禰 真之介様に、「産業医クラウド」、「ELPISシリーズ」の着想や、UI/UXやサービス展開へのこだわりについて伺いました。


株式会社メンタルヘルステクノロジーズ 代表取締役社長 刀禰 真之介様

加速するメンタルヘルス問題は、企業にとってリスクとなる

産業医クラウドを始めた経緯を教えてください。

2011年の創業から製薬メーカーを相手に動いていたのですが、2014年に薬事情報の改ざんが社会問題となり、仕事が全部ストップしてしまったのです。そこで製薬メーカーのコンプライアンスに振り回されてしまうサービスはやめようと決断したと同時に「医師のHR(ヒューマンリソース)しかない」と思いました。


医師の中でも産業医に注目した理由とは?

当時すでに先行している医師のHRサービスがあったので、何か特徴を持たせたいと考えました。そんなとき医師である義理の妹から「多様な働き方の一環として産業医をやりたいけど、なかなか機会がない」という相談をもらったのです。いまや医者の3人に1人は女性医師であることも含め、産業医に可能性を感じました。

そして産業医について調べていくと、当時の産業医が行なっていたのは、健康診断以外では、病気になる手前の人をいかに捌くかというお仕事でした。そしてそこにはメンタルヘルスの問題も含まれていたのですが、精神科医の対処と患者が求めることに乖離があると感じました。具体的には、精神科医はどの薬を処方するかのスペシャリストであり、どうすれば病まないようになるかを知っている人ではなかったのです。

なるほど。

以前、製薬会社さんと付き合っていた頃に「患者が一人増えれば、この薬は10年使ってもらえる」と聞いたことがあります。マーケティング的には当然の発想ではありますが「それって違うんじゃないかな」と感じたことを思い出しました。同時に、そこにビジネスチャンスがあると思いました。当時(現在も)、企業は採用に多額の金額を投下していますが、少子高齢化の背景と、精神疾患者の増加率、情報流通量の増加により、メンタルを崩す社員が増加が予測できたので、採用コストの一部が社員のケアに使われる世界観が2020年前後に来るのではないかと想定しました。2015年の春、そこに賭けてビジネスを始める意思決定をしました。

それは「メンタルヘルスの問題が今後広まっていく」と感じたということでしょうか?

はい。デジタル化によって1日に浴びる情報量が増え、それを処理しきれないことでメンタルに不調があらわれるという研究がある一方、今後さらに情報量が増えていくことが予想されます。また、デスクワークによってフィジカルが崩れ、同時にメンタルも崩れる流れもあります。エンジニアが一日中座りっぱなしで目から情報を大量に入れていると病むのは当然だと思います。そして現在は、新型コロナによってエンジニア以外の職種の人たちもそれを強いられています。

そして今後、コロナが解決したとしても元の世界に戻ることはありえません。感染症の存在を無視したビジネスを展開することはできないので、エッセンシャルワーカー以外のホワイトカラーはテレワークとの併用になっていくことでしょう。すると、企業は社員の健康に対して投資していかないと、どんどんコストがかさみ業績を悪化させることになるはずです。

何が当たるかわからない。高速で回転数を上げることが重要

「産業医クラウド」と「ELPISシリーズ」はどんなイノベーションを起こしたのでしょうか?

まず、ほとんどの企業が、組織としてメンタルヘルスケアを行っていない現状があります。その理由は二つです。まず一つ目は、そもそもメンタルヘルスケアの手法を理解していないこと。そして二つ目は、ケアには人の関与が大きく必要で投資コストが高いことです。「産業医クラウド」と「ELPISシリーズ」はこれら二つの理由を解決すべく、テクノロジーを活用しながら、メンタルヘルスケアを安価に導入し、投資対効果の見える化を実現しています。 現在、課題を抱えているお客様に対し、コストリーダーシップと差別化戦略が同時に効いている状況です。

導入企業からの評判はいかがですか?

とても好評をいただいています。特にIT企業では、平均的な企業よりも病んだ状態で出社する社員の数が多い傾向にありますが、例えば20人に1人は休職している状況があったとしても、「産業医クラウド」を導入して活用することで2〜3年で100人に1人が休職という平均値まで持っていくことができます。

「産業医クラウド」や「ELPISシリーズ」の開発にあたり、UI/UXで意識されたことを教えてください。

「とにかくシンプルであること」ですね。特に「ELPISシリーズ」はITリテラシーを問わず幅広い層の方が利用されるので「初見でわかる」「入力するものが少ない」「複雑なことはさせない」という3点を特に意識しています。

そしてもう一点。提供したいサービスが複数ある場合、共通のプラットフォームでやらないということが重要だと思います。エンジニアは一つのプラットフォームでやりがちなのですが、すると使われるかわからない機能がどんどん増えていってしまいます。そのため僕らは個別でライトタッチなものを作って市場投下し、反応が良ければブラッシュアップしていく方法をとっています。

これから新たなサービスを立ち上げる方へのアドバイスをいただけますか?

それがB向けであれ、C向けであれ、思い立ってから半年以内に市場投下することが重要だと思います。ユーザーが使いたいほどの強烈な欲求やペインがあれば、UI/UXにこだわる必要はありません。不恰好でも使われます。

しかし、実際には何がヒットするかわかりません。その回転数が早ければ早いほど成功数(率ではなく)が上がると思うので、やはり市場投下までのスピードは重要です。

また、マネタイズプランは複数考えた方がいいと思います。広告やユーザー課金等でペイできるほど甘くはありません。

ありがとうございます。最後に「産業医クラウド」「ELPISシリーズ」について今後の展望をお聞かせください。

すでに業界内ではデファクトとして認知されていると自負していますが、2〜3年以内に人事なら誰もが知っている会社にとってなくてはならないサービスにしたいです。そのために、これからは大企業向けの展開に力を入れようと考えています。

i3DESIGN

in-Pocket編集部

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