2020年6月12日

テクノロジー

今こそ、仕事のプロセスを断捨離しよう。GE式ワークアウトのススメ

N.Ohnaga

 

「50年、自分の手法がすべて正しいと思って経営してきた。だが今回、それは間違っていた。テレワークも信用してなかった。収益が一時的に落ちても、社員が幸せを感じる働きやすい会社にする。そのために50くらい変えるべき項目を考えた。反省する時間をもらっていると思い、日本の経営者も自身の手法を考えてほしい」

これは猛烈な仕事スタイルで売上高約1兆5000億円のモーター日本電産築いた永守会長の言葉です。

4月7日に発動された緊急事態宣言によって、私たちは史上最大規模の在宅勤務実験を突然開始しました。

ここ数年、固定席で仕事をするオフィススタイルから、フリーアドレスへ変更する企業も増えました。また、フリーアドレスからより自由度の高い働き方ができるアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)というワークスタイルの導入を検討する企業も出てきてはいます。しかし、多くの企業では、その都度、既存の事業、組織に最適化された(されたように見えていた)仕事のプロセスやシステムに引き戻され大胆な働き方改革が進められずにいるのではないでしょうか。

しかし、皮肉なことに今回のパンデミックにより、在宅勤務は問答無用で実施され、いまや完全に稼働するようになりました。事前予告はなく、最小限の準備だけでそうした状況に追い込まれたわけですが、意外に?!仕事は滞りなく進んでいます。

では、緊急事態宣言があけた際、私たちは、ビフォーコロナのシステムに戻るのでしょうか?

そこで今回はこれを転機に仕事のプロセス、システムを見直したい組織、チームにオススメな「GE式ワークアウト」を紹介いたします。

 

ワークアウトとは                       

「ワークアウト」とは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ前会長らが作り上げた風土変革メソッドです。「無駄な仕事(work)を追い出す(out)」ために、組織横断的な小チームを作って業務改善案を募り、現場主導で素早く具現化するというプロセスを繰り返すというものです。

少人数のグループが業務上の課題に取り組み、組織のプロセスに変化をもたらすアイデアをタウンミーティングで責任者に提示。公開討論を経てその責任者が提案の採用不採用をその場で決定します。

その手法はかつて日本に広く普及したTQCにヒントを得ていますが、解決案が直接トップに提示され、それをその場で判断するという点が特徴です。

3時間で意思決定。ワークアウトスプリント

どんな変革のプロセスでもただその方法を話しているだけでは何も生まれません。ワークアウトを理解する近道はそこに飛び込んでやってみることです。

まずは小さなチームで3時間のスプリント形式で実施してみるのがおすすめです。

では手順をご紹介します。

 

1.問題を洗い出す。

まずは、問いを設定。個人ワークで問題を書き出します。問は特定のテーマでも、下記のように改善機会全体を捉えるための問いでもいいでしょう。

例:「(この一月のリモートワークを体験したことで見えてきた)既存の仕事、プロセス、システムでその価値に疑問がある見直すべき仕事は何ですか?」

 

2.共有する。

次に各自が出した“見直すべき仕事”についてその理由、また背景にある根本的な要因について対話します。ひとつひとつの仕事について対話しながら、グルーピングしたり、因果関係を結びながら、見直すべき仕事を一覧化します。最後は全体像をながめながら、特に見直しが必要な仕事を3〜5つ選びましょう。

 

3.アイデアを発想する

チームで選んだ3〜5の“見直すべき仕事”について、個人または、グループで見直し案を検討します。検討の視点として、

完全に無くす/部分的に無くす/別の人に任せる/頻度をへらす/時間がかからないようにする/関わる人数をへらす/新たな技術を使って生産性を高める/まったく別の方法をとる/を活用すると発想がすすみます。

 

4.アイデアを評価する

アイデアや解決策の優先順位をつけるうえで、シンプルかつ協力なツールがペイオフ・マトリクスです。チーム全員で効果(大↔小)/遂行性(容易↔困難)の2軸でアイデアを評価し、実行案を絞り込みます。

5.計画をたてる

実行アイデアがきまったら、それを遂行するための計画を立てます。追加で必要な情報やエビデンス、コスト、責任者が期限など、公式のプロジェクトとして承認を得るための計画としてまとめます。

 

実践マニュアル

古い慣習やルール、非効率でも手続きとしてやってきた業務など。これまでの組織運営のプロセスやシステムでは当たり前だと疑うことすらできなかった仕事を見直すチャンスです。テレワークで表出した“見直すべき仕事”を一気に断捨離しましょう。

最後に、こちらの書籍はどのようにワークアウトを計画し実行していくのか?丁寧に解説した「マニュアル」にもなっていいます。また、この活動を組織に定着させるための方法についても述べられていますので、組織変革のフレームワークとしてワークアウトを導入する際は、参考ください。

GE式ワークアウト  著 デーブ・ウルリヒ https://www.amazon.co.jp/dp/4822243370/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_aY4TEb7C60QHA

Nobuyuki Ohnaga

N.Ohnaga

株式会社アイスリーデザイン取締役、株式会社bridge代表、サービスデザイナー。日本にペルソナを導入した先駆的企業であるmct社のコンサルタントとして人間中心イノベーション手法を活用した商品開発、サービスコンセプトの構築、イノベーション人材育成といったプロジェクトをリード。2017年1月bridge.Incを設立。多様な業種、組織の200を超えるデザインプロジェクトの実践経験をノウハウとして体系化し、スタートアップや中小企業のイノベーションを支援する。2017年8月より株式会社アイスリーデザインに役員として参画。

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