2019年9月20日 UXデザイン

〜新しい未来に挑戦する〜 組織の成功循環モデルとは?

これまでリーダーは、いかに目標を達成するか、いかにすぐれた意思決定するかという観点から、ロジカルシンキングなどゴールから逆算して合理的な結果を出すために思考法を養ってきました。

しかし、経済、企業組織、個人のキャリアにいたるまで、ありとあらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況において、過去の知見や経験、合理性や客観性を重視した思考法だけでは、組織の能力を引き出すことができなくなってきています。

では、優れたリーダーはどのように思考の質を高め、組織の目標を達成に導くのか?マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム教授は、「結果の質」を上げるためには、「関係の質」を上げることが大切であると唱えます。
 
 
 

「成功循環モデル」

ダニエル・キム教授が提唱する「成功循環モデル」とは、組織に成功をもたらす基本的な考え方で、組織の循環モデルには、グッドサイクルとバッドサイクルがあります。
 

 
バッドサイクルは、結果だけを求め、「結果の質」を向上させようとすることから始めます。しかし、なかなか成果が上がらず「結果の質」が低下すると、対立や押し付け、命令が横行するようになり、「関係の質」が低下。ときには一時的に成果が上がるかもしれないが、それはメンバーが追い詰められた状態で出した成果にすぎないので、持続せず、結局同じサイクルに入ってしまいます。

「関係の質」が悪化すると、メンバーは考えることをやめ、受け身になってしまい、仕事がつまらないと感じはじめます。また受け身なので、当然自発的・積極的に行動しなくなり、「行動の質」が低下して成果が上がらなくなる…つまり「結果の質」がさらに低下するのです。
 
 
1.成果・業績が上がらない(結果の質)
2.対立が生じ、押し付け、命令・指示が増える(関係の質)
3.創造的思考がなくなる、受け身で聞くだけ(思考の質)
4.自発的・積極的に行動しない(行動の質)

1.さらに成果が上がらない(結果の質)
2.関係がより悪化する、なすり合い、自己防衛(関係の質)

 
 
停滞していたりなかなか成果の上がらない組織は、このようなバッドサイクルに陥っていることがよくあります。
 

 
 
一方で、グッドサイクルは、「関係の質」を高めるところから始めます。「関係の質」を高めるとは、相互理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考えること。ここから始めると、メンバーは自分で気づき、面白いと感じるようになり、「思考の質」が向上します。面白いと感じるので、自分で考え、自発的に行動するようになり、「行動の質」が向上。その結果として「結果の質」が向上し、成果が得られ、信頼関係が高まり、「関係の質」がさらに向上するのです。
 
 
1.互いに尊重し、結果を認め、一緒に考える(関係の質)
2.気づきがあり、共有され、当事者意識を持つ(思考の質)
3.自発的・積極的にチャレンジ・行動する(行動の質)
4.成果が出てくる(結果の質)

1.信頼関係が高まる(関係の質)
2.もっと良いアイデアが生まれる(思考の質)

 
 
遠回りをしていると感じるかもしれないが、何よりもまずメンバーとの関係の質を高めること。メンバーに対して結果を出すためのアクション促すより、リーダーがまずやるべき大切な行動です。
 
 
 

関係の質を高めるには

好循環のサイクルは、メンバーの関係性からスタートしているところがポイントですね。今、スタートアップをはじめ、新しいことに挑戦する多くの組織が、ビジョンやミッション、組織のコアバリュー(行動原則)を共有し、そこに参加する個人の組織に属す意味との相互確認をとても大切な活動として位置づけているのも、組織の「関係の質」を高めるための方法なのでしょう。

みなさんの組織の「関係の質」はどうでしょうか?チームみんなで今の組織の誇らしい所、残念な所を書き出しながら組織のコンディションをチェックしてみませんか。
 
 

OhnagaNobuyuki

N.Ohnaga

株式会社アイスリーデザイン取締役、株式会社bridge代表、サービスデザイナー。日本にペルソナを導入した先駆的企業であるmct社のコンサルタントとして人間中心イノベーション手法を活用した商品開発、サービスコンセプトの構築、イノベーション人材育成といったプロジェクトをリード。2017年1月bridge.Incを設立。多様な業種、組織の200を超えるデザインプロジェクトの実践経験をノウハウとして体系化し、スタートアップや中小企業のイノベーションを支援する。2017年8月より株式会社アイスリーデザインに役員として参画。

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