TEDで2475万再生されたすごいプレゼンに学ぶ、新規事業開発に必要な「ゴールデンサークル」とは

ゴールデンサークル理論とは、マーケティングコンサルタントであるサイモン・シネック氏が、2009年に『TED TALK』でプレゼンした『優れたリーダーはどうやって行動を促すのか』の中で提唱した理論です。

 
 

Whyからはじまるストーリー

普通の人は、ゴールデンサークルの外側から内側に向けて、「What⇒How⇒Why」の順に考えると言います。しかし、優れたリーダーは逆で、Why⇒How⇒Whatの順で考え、伝えます。Whyに共感が生まれれば、人々を惹きつけることができるとのこと。なるほど。
 
もしアップルが、iPhoneやMacを、Whatから入った伝え方をしたとすると、こうなります。
 
“我々のコンピュータは素晴らしく、美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい商品です。ひとつ買いませんか?”
 
これを逆に、Why⇒How⇒Whatで伝えると、どうなるでしょうか。
 
“我々のすることはすべて世界を変えるという信念で行っています。
違う考え方に価値があると信じています。
私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使え、親しみやすい製品です。
こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。”

 
はじめにアップルのWhyであるビジョンを伝える。人々はこれに共感するからこそ、アップルの商品を手に取る。これがWhyからはじまるストーリーです。
 

個人のWhyを起点に事業を描く。

ここからが本題です。新しい事業は、ある意味非合理な判断の中からしか生まれません。合理性のある理屈を積み重ねていけば、多くの場合、

  • 「リスクが大きい」
  • 「成果が読めない」
  • 「時期尚早でまだ判断すべきではない」

 
という結論に向かっていきます。合理的な判断は企業経営において重要ですが、それだけでは新規事業を生みだすことはできません。
しかし私たちは、無意識に組織や業界の秩序、慣習に引き寄せられ、合理的な思考が発動してしまうのです。
そのような高くそびえる合理的思考の壁を飛び越えてくれるのは、
 
「理屈はそうかもしれないが、自分は何がなんでもやりたいんだ」
 
という個人の思いではないでしょうか。
企業の中で新しい風を起こすイントレプレナーと呼ばれる方々に話を聞くと、決まって“社内の反対を押し切って”というフレーズがあります。個人のwhyに寄り添いながら、そのエネルギーをうまく活用し、事業を創り出す仕組みが今、多くの組織に求められているのです。
 
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サイモン・シネック「WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う 」(日本経済新聞出版社, 2012)

 
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Nobuyuki Ohnaga
株式会社アイスリーデザイン取締役、株式会社bridge代表、サービスデザイナー。日本にペルソナを導入した先駆的企業であるmct社のコンサルタントとして人間中心イノベーション手法を活用した商品開発、サービスコンセプトの構築、イノベーション人材育成といったプロジェクトをリード。2017年1月bridge.Incを設立。多様な業種、組織の200を超えるデザインプロジェクトの実践経験をノウハウとして体系化し、スタートアップや中小企業のイノベーションを支援する。2017年8月より株式会社アイスリーデザインに役員として参画。
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