【2025年最新】VSCode・Cursor・Windsurf・Clineを徹底比較|開発スタイル別の最適な選び方

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AI技術の進化により、開発の現場は大きな転換期を迎えています。コードの自動補完にとどまらず、設計から実装、テストまでを自律的に行うAIコーディングツールが次々と登場し、開発者の働き方そのものを変えつつあります。

しかし、「どのツールを選べばいいのか分からない」「自分のチームに合ったものはどれか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、2025年現在注目を集める4つの主要AIコーディングツールである、Cursor・Windsurf・Cline・VS Code+GitHub Copilotについて、機能、料金、カスタマイズ性、チーム開発への適性など、あらゆる角度から徹底比較します。

推奨ツール適した開発スタイル主な理由
Cursor• 個人開発
• 上級開発者
• プロジェクト全体を理解し自律的に作業を代行
• エージェント機能で複数タスクを並行処理可能
• 最新AI機能をいち早く試せる
Windsurf• 個人開発
• 大規模プロジェクト
• Cascade機能でプロジェクト全体の文脈を深く理解
• 直感的な操作でアイデアを即座に形にできる
• 大規模リファクタリングに強い
Cline• チーム開発
• 大規模プロジェクト
• 予算重視
• 上級開発者
• 初心者
• VS Code拡張で既存環境を維持
• .clinerulesでコーディング規約統一
• 本体無料でAPI従量課金
• オープンソースでカスタマイズ性が高い
• チャットで質問しながら学習可能
GitHub Copilot• チーム開発
• 大規模プロジェクト
• 予算重視
• 初心者
• Business/Enterpriseプランで管理機能
・セキュリティが充実
• VS Code拡張で既存環境を維持
• 月額10ドルの低価格
• 自然な補完で構文や実装パターンを学習できる

AIファーストの統合開発環境として進化を続けるCursor、プロジェクト全体を理解する直感的なエディタWindsurf、柔軟性とコスト効率に優れたオープンソースのCline、そして安定性と信頼性が魅力のVS Code+GitHub Copilot。それぞれの強みと弱みを明らかにし、開発スタイルや目的に応じた選び方を詳しく解説します。

※VS Code自体にAIコーディング機能はありませんが、GitHub Copilotを併用するとコード補完・生成・レビュー支援などのAIコーディング機能を利用できます。GitHub CopilotのアップデートはVS Code向けに優先的に提供されるため、VS CodeでAIを活用した開発フローを構築したい方は、組み合わせて利用するのがおすすめです。

ツール選びにお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。

アイスリーデザインでは、Cursor・Windsurf・DevinといったAI開発エージェントと、GitHub Copilot や Gemini などの汎用LLMを“開発タスク特化型エージェント”として活用し、開発プロセスの効率化実現する「AI駆動開発支援サービス」を提供しています。 

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目次

AIエージェント時代が到来!2025年のAI開発環境

2025年のソフトウェア開発において、AIは単なる補助ツールから、自律的にタスクを遂行するパートナーへと進化しています。

従来のコーディング手法だけでは、現代の開発スピードや規模に対応するのが難しくなってきました。そこでAIコーディングエージェントが登場したことにより、開発者はコードを書くだけでなく、より創造的な設計や問題解決に集中できるようになっています。

これまでのAIツールは、コードの自動補完や簡単なバグ修正といった「支援」が主な役割でした。しかし、最新の自律型エージェントは、機能の実装からテストの実行、デバッグまでを一貫して代行します。

そのため、開発者はAIに指示を出すだけで、複雑なアプリケーションの構築も短時間で行えるようになりました。

この変化は、初心者の学習を助けるだけでなく、ベテランエンジニアの生産性も高めます。AIを活用したワークフローを取り入れることは、もはや選択肢の一つではなく、競争力を維持するために欠かせない要素といえるでしょう。

AIエージェント時代がどのようなものなのか、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

Cursor・Windsurf・Cline・VS Code+Copilotとは?各ツールの基本特性

注目を集めている4つの主要なAIコーディングツールには、それぞれ異なる設計思想や強みがあります。

  • Cursor|AIファーストの統合開発環境
  • Windsurf|プロジェクト全体を理解する直感的エディタ
  • Cline|VS Code拡張として動作する柔軟なAIアシスタント
  • VS Code+Copilot|安定性と統合性が強み

開発スタイルやチームの要件に合わせて最適なツールを選べるよう、各ツールの特徴を見ていきましょう。

Cursor|AIファーストの統合開発環境

Cursorは、AIを活用することを前提に設計された、VS Codeベースの統合開発環境(IDE)です。ChatGPTやClaude、Geminiといった複数の生成AIモデルと連携し、高度なコーディング支援を提供します。

最大の特徴は、単なるコード補完にとどまらず、チャット機能を使って対話しながら開発を進められる点です。「このコードをリファクタリングして」「バグの原因を教えて」といった指示に対し、Cursorはプロジェクト全体の文脈を理解した上で回答します。

2025年7月にはモバイル版やブラウザ版もリリースされ、場所を選ばずにAIエージェント機能を利用できるようになりました。

複数のエージェントを同時に稼働させ、別々のタスクを並行して処理させるといった使い方も可能です。移動中にバグ修正を依頼し、帰宅後にその結果を確認するといった効率的な働き方を実現できるでしょう。

Cursorについては以下の記事で詳しく解説しています。

Windsurf|プロジェクト全体を理解する直感的エディタ

Windsurfは、AIネイティブな次世代IDEとして開発され、プロジェクト全体の文脈を深く理解する能力に長けています。VS Codeをベースにしているため、既存のユーザーも違和感なく操作できるでしょう。

このツールの強みは「Cascade」と呼ばれる機能により、ファイル構造やコードの流れをAIが把握していることです。自然言語で「全ファイルの変数名を統一して」と指示すれば、複数ファイルにまたがる修正も一括で行います。

また、開発者が作業の手を止めずに集中できる「フロー状態」の維持を重視して設計されています。

直感的なインターフェースにより、コーディングのスピードを落とすことなく、AIによる高度な支援を受けられる点が大きな特徴です。

Cline|VS Code拡張として動作する柔軟なAIアシスタント

Clineは、VS Codeの拡張機能として動作する、オープンソースのAIコーディングアシスタントです。専用のIDEをインストールする必要がなく、いつものVS Code環境にそのまま導入できるため、スムーズに利用を開始できるでしょう。

Clineは、ユーザーが設定したAPIキー(OpenAI、Claude、Geminiなど)を使って動作します。そのため、用途や予算に合わせて利用するAIモデルを自由に切り替えられるのがメリットです。

また、指示に基づいてコード生成や修正を行うだけでなく、ターミナルコマンドの実行やファイルの作成まで自律的にこなします。

プロジェクトごとに「.clinerules」という設定ファイルを用意すれば、チーム独自のコーディング規約をAIに守らせることも可能です。既存の開発環境を変えずに、柔軟にAIの力を取り入れたい方に適しています。

Clineについては以下の記事で詳しく解説しています。

VS Code+Copilot|安定性と統合性が強み

VS CodeとGitHub Copilotの組み合わせは、多くの開発者に利用されている定番のAI開発環境です。MicrosoftとGitHubが提供する公式サービスであり、その安定性と信頼性の高さには定評があります。

Copilotは「ペアプログラマー」として、開発者がコードを書いている最中に、リアルタイムで次の一行や関数全体を提案します。思考を中断させることなく、自然な流れでコーディングをサポートしてくれるのが特徴です。

また、VS Code以外の主要なIDEにもシームレスに統合できるため、普段の開発フローを大きく変える必要がありません。

最近ではチャット機能やプルリクエストのレビュー支援機能も追加されるなど、進化を続けています。手軽にAI支援を導入し、日々のコーディング作業を効率化したいと考える開発者にとって、有力な選択肢といえるでしょう。

GitHub Copilotについては以下の記事で詳しく解説しています。

機能・性能・料金を徹底比較|4ツールの違いを可視化

4ツールの機能・性能・料金の比較

ここでは、4つのツールの違いを「機能」「カスタマイズ性」「料金」「速度」「チーム機能」の5つの観点から比較します。

  • AIコード補完とアシスト機能
  • カスタマイズ性と拡張機能
  • 料金プランとコストパフォーマンス
  • パフォーマンスと動作速度
  • チーム開発・コラボレーション機能の充実度

各ツールの機能やコストの違いなどを、詳しく見ていきましょう。

項目CursorWindsurfClineVS Code+Copilot
主な役割開発環境全体をAI化フロー状態の維持柔軟なタスク実行コード補完の定番
補完スタイルチャット+自動生成プロジェクト全体理解指示による自律実行インライン補完
モデル選択複数可(GPT-4o等)独自+複数モデル自由(API設定)固定(OpenAI系)
料金体系月額サブスク月額サブスク無料+API従量課金月額サブスク
導入難易度中(独自IDE)中(独自IDE)低(拡張機能)低(拡張機能)

AIコード補完とアシスト機能

ツールによって、開発者をサポートするアプローチには明確な違いがあります。

GitHub Copilotは、入力中のコードから文脈を読み取り、次の一行や関数全体を即座に提案するのが得意なツールです。開発者の思考を邪魔せず、自然なリズムでコーディングを支援してくれます。

一方で、CursorやWindsurfは「作業の代行」に強みを持っています。

チャットで「この機能を実装して」と指示すれば、プロジェクト内の複数ファイルを分析し、必要なコードを自動で生成・修正します。WindsurfのCascade機能は複雑な依存関係も理解するため、大規模なリファクタリングも安心して任せられます。

Clineは、チャットと自律実行を組み合わせたスタイルを採用しています。指示を出すと、計画立案からコード修正、エラー解消までを自律的に進めるため、手放しでタスクを完了させたい場面において強力なサポーターとなるでしょう。

カスタマイズ性と拡張機能

使い慣れた開発環境を維持できるかどうかも、ツール選びの重要なポイントです。

CursorとWindsurfはVS Codeをベースに開発されているため、既存のVS Code用拡張機能をそのまま利用できます。移行コストは低いものの、独自IDEとして動作するため、設定の完全な同期には多少の手間がかかる場合があります。

対して、ClineとGitHub CopilotはVS Codeの拡張機能として動作するのが特徴です。今のエディタ環境を一切変えずに、AI機能だけを追加できる点は大きなメリットといえます。

特にClineは「.clinerules」ファイルを使えば、プロジェクトごとにAIの挙動やコーディング規約を細かく制御可能です。

また、Clineは使用するAIモデルを自由に選べるため、最新のモデルを試したり、コストを抑えたモデルを使ったりと、柔軟な運用ができる点も魅力の一つです。

料金プランとコストパフォーマンス

各ツールの料金体系は、月額固定のサブスクリプション型と、使った分だけ支払う従量課金型に分かれます。

ツール料金モデル価格の目安
Cursor月額サブスクHobby 無料 / Pro $20 / Pro+ $60 / Ultra $200
Windsurf月額サブスクFree 無料 / Pro $15 /  Teams $30 / Enterprise Ask
ClineAPI従量課金本体無料 + API利用料
Github Copilot月額サブスクFree 無料/ Pro $10 /  Pro+ $39 / Business $19 / Enterprise $39

予算を固定したい場合は、GitHub CopilotやWindsurfのProプランを選ぶのが無難です。特にCopilotは月額10ドルと、他のツールに比べて安価に導入できる点は強みといえます。

一方、使用頻度に波がある場合はClineが一つの選択肢になるでしょう。API利用料のみ支払う仕組みのため、全く使わない月の費用は発生しません。逆に、大量の処理を行う月はコストが増えるため、予算管理には注意が必要です。

パフォーマンスと動作速度

AIの応答速度は、開発のテンポを左右する重要な要素です。

GitHub Copilotは、バックグラウンドで軽量なモデルが動作しており、キーストロークごとの提案が非常にスムーズです。入力の遅延を感じることは、ほとんどありません。

CursorやWindsurfは、プロジェクト全体の分析を行うため、複雑な指示に対しては回答までに数秒から十数秒かかることがあります。

しかし、その分だけ手作業で行うと数十分かかる作業を一瞬で終わらせてくれるため、トータルの作業時間を大幅に短縮できるでしょう。

Clineの速度は、選択するAIモデルに依存します。Claude 3.5 Sonnetのような高性能モデルを使えば精度は高いですが応答は遅くなり、GPT-4o miniのような軽量モデルならサクサク動きます。

用途に応じてモデルを切り替え、速度と精度のバランスを調整できるのが強みです。

チーム開発・コラボレーション機能の充実度

チームで導入する場合、セキュリティや管理機能についても確認しておくと良いでしょう。

GitHub CopilotのBusiness/Enterpriseプランは、企業利用を想定した機能が充実しています。ライセンスの一元管理や、コードのデータ利用に関するポリシー設定、監査ログの取得などが簡単に行えるのが利点です。

WindsurfもTeamsプランを提供しており、SSO(シングルサインオン)や一元請求に対応済みです。組織としてのガバナンスを効かせやすく、セキュリティ要件の厳しいプロジェクトでも導入しやすいでしょう。

一方、ClineやCursorは個人プランで、基本的に個々の開発者が独立して利用する形式になります。

ただし、Clineはオープンソースであるため、社内サーバーに独自のLLMを構築して接続するなど、高度なセキュリティ対策が可能です。「.clinerules」をリポジトリで共有すれば、チーム全員でコード品質を統一する運用も実現できます。

開発スタイル別の選び方|あなたに最適なツールはどれ?

開発スタイル別ツールの選び方

これまでの比較を踏まえ、開発者のスキルやチームの状況に応じて、どのツールを選ぶべきか具体的に解説します。

  • チーム開発やコードレビューを重視するなら
  • 大規模プロジェクトや既存環境を維持したいなら
  • 予算を抑えつつAI支援を導入したいなら
  • 上級開発者なら
  • プログラミング初心者や学習重視なら
  • 個人開発で生産性を最大化したいなら

自分の目的や現在の開発環境と照らし合わせながら、最適なツールを選びましょう。

チーム開発やコードレビューを重視するなら

組織としてAIを導入する場合は、管理機能やセキュリティが充実しているGitHub CopilotのBusiness/Enterpriseプランが安心です。

ライセンスの一元管理はもちろん、チーム内でのコード共有ポリシー設定や、プルリクエストの要約・レビュー支援機能などが整っています。

また、開発ルールを統一したい場合には、Clineもおすすめです。プロジェクトのリポジトリに「.clinerules」を含めることで、チーム全員が同じコーディング規約に従ってAIにコードを書かせることができます。

コーディング時のブレを防ぎ、コードレビューの負担を軽減できるでしょう。

大規模プロジェクトや既存環境を維持したいなら

すでに巨大なコードベースがあり、開発環境やワークフローを大きく変えたくない場合は、VS Codeの拡張機能であるGitHub CopilotやClineを選ぶと良いでしょう。

IDEごと乗り換えるCursorやWindsurfとは異なり、使い慣れたエディタ設定や他の拡張機能をそのまま活かしてAI機能を導入できます。

移行に伴うトラブルや学習コストを最小限に抑えられるため、進行中のプロジェクトでもスムーズに使い始められるでしょう。

一方で、大規模なリファクタリングが必要な場面では、一時的にWindsurfなどを併用し、プロジェクト全体の分析・修正能力を活用するというアプローチも効果的です。

予算を抑えつつAI支援を導入したいなら

コストパフォーマンスを最優先するなら、月額固定で安価なGitHub Copilotか、使用量に応じた課金ができるClineがおすすめです。

GitHub Copilotは月額10ドル(個人プラン)という低価格で、回数を気にせず安定した補完機能を利用できます。

Clineは本体が無料のため、安価なAIモデル(Claude HaikuやGemini Flashなど)をAPI設定して使えば、月々の費用を数百円程度に抑えることも可能です。

「普段はClineでコストを抑え、ここぞという時だけ高性能モデルを使う」といった柔軟な運用で、予算内でのAI活用も可能となるでしょう。

上級開発者なら

自分好みの開発環境を構築したい上級者には、カスタマイズ性と透明性の高いClineが適しています。

オープンソースであるClineは、内部でどのようなプロンプトが動いているかを確認でき、使用するAIモデルもタスクに応じて自由に切り替えられます。

「設計にはClaude 3.5 Sonnet、単純な修正にはGPT-4o mini」といったように、モデルの特性を理解して使い分けることで、品質とコストを細かくコントロールできる点が魅力です。

最新のAI機能をいち早く試したい場合は、AIファーストで進化を続けるCursorも満足度の高い選択肢となるでしょう。

プログラミング初心者や学習重視なら

学習コストを抑えつつコーディングの基礎を身につけたい方は、VS Codeの拡張機能として手軽に導入できるツールが適しています。

特にGitHub Copilotは、書きかけのコードに対して自然な補完を行うため、正しい構文や一般的な実装パターンを学ぶのに役立ちます。

また、質問しながら進めたい場合はClineも便利です。エラーが出た際にチャットで原因を聞いたり、コードの意味を解説してもらったりすることで、理解を深めながら開発を進められます。

個人開発で生産性を最大化したいなら

一人ですべての工程をこなす個人開発者には、プロジェクト全体を理解し、自律的に作業を進めてくれるCursorやWindsurfが適しています。

これらのツールは、設計から実装、バグ修正に至るまで、開発者の指示を受けて広範囲なタスクを代行してくれます。

例えばCursorのエージェント機能を使えば、裏側でAIにテストコードを書かせている間に、自分は別の機能実装に集中するといった並行作業が可能。Windsurfも直感的な操作でアイデアを即座に形にできるため、限られたリソースで開発スピードを最大化したい場合に最適です。

AIエージェント機能の活用事例

AIコーディング支援ツールは、金融機関の基幹系システム刷新から、スタートアップのMVP開発まで、幅広い現場で成果を上げています。ここでは、GitHub Copilot、Cursor、Windsurf、Clineといったツールを活用した実際の企業事例を5つ紹介します。

それぞれの特性を活かした使い方を知ることで、自社に最適な導入方法のヒントが見つかるでしょう。

活用事例① 金融機関でのレガシーシステム刷新・セキュリティ強化事例

オーストラリアの大手銀行では、GitHub Copilotを導入してレガシーシステムの刷新プロジェクトに取り組みました。Pythonエンジニア300名を対象とした実証実験では、平均42%の生産性向上を達成し、特に初級エンジニアでは52%もの向上率を記録しています。

別の金融機関では、クラウドファースト開発ライフサイクルにCopilotを組み込むことで、コーディング関連タスクの時間を33〜36%短縮し、繰り返し作業やテスト生成では30〜40%の時間削減を実現しました。さらに、プルリクエスト数が10.6%増加し、開発サイクルタイムも約3.5時間短縮されるなど、CI/CD観点での効果も確認されています。

これらの事例は、基幹系システムを扱う大規模組織において、AIコーディング支援ツールがレガシー刷新やセキュリティレビューの効率化に大きく貢献できることを示しています。

参考:
Improving Productivity By 42% For Major Bank With GitHub Copilot – TL Consulting Group
Transforming Software Development: Evaluating the Efficiency and Challenges of GitHub Copilot in Real-World Projects
The Impact of Github Copilot on Developer Productivity: A Case Study | Blog

活用事例② 受託開発企業での納期短縮と品質向上事例

Cursorを導入した受託開発を行うIT企業では、プロジェクトの出荷スピードと品質管理の両立に成功しています。OpenAIやSamsung、Midjourney、Perplexity、Shopifyといった企業がCursorを主力IDEとして採用し、新規メンバーのオンボーディング期間短縮やコード品質の標準化、技術的負債の削減といった効果を報告しています。

また、Cursor導入企業は初期段階で20%程度の効率改善を達成し、運用が成熟したチームでは出荷スピードが2〜6倍になったケースもあります。特に機能出荷のリードタイム短縮、バグ修正スピードの向上、レビュー工数の削減が顕著で、複数の受託プロジェクトを並行して進める企業にとって、品質を維持しながら納期を30%短縮できる可能性が示されています。

参考:
導入企業 · Cursor
Redpoint Claims $1.8T Up For Grabs For AI Apps In New Report
Cursor AI: How Development Teams Are Shipping 3x Faster in October 2025 | Grow Fast Blog

活用事例③ 流通・小売業でのオムニチャネル基盤開発事例

Windsurfは、Google CloudのAIスタートアップ事例においてGemini 2.5 Proを活用したコード補完・生成ツールとして紹介されており、大規模なコードベースを扱うAI IDEとして注目されています。

Crusoe Cloudとの対談では、少人数チームでもAIエージェントIDEをスケールさせるためのクラウドインフラ活用について語られており、小さなチームで大きなプロダクトを効率的に運用する方法が明らかになっています。

また、Andrew NgによるWindsurf活用コースでは、UI構築とバックエンド接続を同一エージェント内で処理するワークフローが紹介されており、フロントエンドとバックエンドの同時開発を通じて、デザイナーとエンジニアの協働効率向上につながることが示されています。

こうした特性から、Windsurfはオムニチャネル基盤のような複数の接点を統合する開発プロジェクトにおいて、効率的な開発体制を構築できるツールとして期待されています。

参考:
150 AI use cases from leading startups and digital natives | Google Cloud Blog
How Windsurf built a multi-billion dollar AI code editor using Crusoe Cloud
Learn how to build apps with Windsurf’s AI Coding Agents | Andrew Ngさんがトピックについて投稿しました | LinkedIn

活用事例④ スタートアップでのMVP開発コスト削減事例

スタートアップ企業では、ClineをオープンソースのVS Code拡張として活用し、MVP開発の高速化とコスト削減を実現しています。Clineはユーザーが自分のAPIキーを持ち込んで利用する仕組みになっており、実行コストをユーザーが直接支払うため、ツール側のマージンが発生しないコスト構造が特徴です。

Clineの強みは、ターミナル、エディタ、ブラウザといった開発に必要な操作を自動化できる点にあります。MCPサーバー経由でさまざまなツールと統合することで、開発者ワークフローの大部分を自動化し、少人数でも効率的な開発を可能にしています。

LinkedInの報告では、Clineが1年足らずでハッカソンプロトタイプから評価額1.1億ドル規模のプロダクトに成長し、SamsungやSAPなどの大企業が内部でテストしている事例が紹介されています。少人数チームでMVPから実運用までを一貫して開発したいスタートアップにとって、開発期間とコストの両方を大幅に削減できる選択肢となっています。

参考:
Cline: A Guide With 9 Practical Examples | DataCamp
Open-Source Was the Trojan Horse. What Cline Built Is an Agentic OS
How Cline, an AI coding agent, went from hackathon loser to $110M valuation | Jesse Landryさんがトピックについて投稿しました | LinkedIn
Cline: The Open Source Code Agent — with Saoud Rizwan and Nik Pash

活用事例⑤ 大手製造業での複数プラットフォーム併用戦略事例

大手製造業を中心に、複数のAIコーディング支援ツールを使い分けるハイブリッド戦略が広がっています。

GitHub Copilotの企業事例では、大手銀行や金融サービス企業がCopilotとVS Code、GitHub、Azure DevOpsといった既存ツールを組み合わせ、特定のチームや用途から段階的に導入を進めています。

Cursorについても、既存のIDEやツールと併用しながら部分的に導入し、効果が確認できた領域から拡大していくパターンが報告されており、McKinseyの調査ではAI開発ツール全般で最大55%程度の生産性向上が見込まれています。

一方、ClineはVS Code、Cursor、Windsurfなど複数のIDEと連携できるオープンソースエージェントとして設計されているため、企業が既存の開発環境に後から追加しやすい特徴があります。

こうした特性を活かし、たとえば基幹系システムはCopilotとVS Codeで安定運用し、Web開発や新規プロジェクトではCursorを活用、特定チームではClineによる高度な自動化を行うといった使い分けが可能です。開発領域ごとに最適なツールを配置できる柔軟性が、ハイブリッド戦略の大きなメリットとなっています。

参考:
GitHub Implementation for a Large Financial Services Firm – LABUR
GitHub Copilot Case Study—Helping Developers Avoid Redundancies
Cursor AI: How Development Teams Are Shipping 3x Faster in October 2025 | Grow Fast Blog
Cline: The Open Source Code Agent — with Saoud Rizwan and Nik Pash

よくある質問

ここでは、AIコーディングツールの導入を検討する際によく挙がる疑問点をまとめました。

  • CursorとClineを組み合わせて使う方法は?
  • 最新AIモデル(Claude Sonnet 4.5など)の対応状況は?
  • 学習コストや習得難易度の違いは?
  • セキュリティやコード品質への影響は?
  • 技術習得のための学習リソースや人材育成に使えるものは?

ツールの併用や最新モデルへの対応、セキュリティリスクなど、実務で気になるポイントを解消していきましょう。

CursorとClineを組み合わせて使う方法は?

CursorはVS Codeをベースに作られているため、通常の拡張機能と同じようにマーケットプレイスからClineをインストールできます。これにより、Cursorが持つ強力なAI補完機能と、Clineの柔軟なエージェント機能を一つのエディタ内で併用できます。

もっとも、併用する意味があるのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。CursorはIDE自体がAI化されたツールであり、ClineはVS Codeに”AI作業者”を追加するエージェントです。アプローチは異なるものの、実際に使ってみるとAIに指示してコードを編集してもらうという体験が似ているため、どちらか一方で十分に思えてしまうのです。

しかし実際には、それぞれに明確な強みがあります。Cursorは大規模リポジトリの理解や自動リファクタリングに優れており、Clineはパッチ単位で変更を提示するため作業の透明性が高いという違いがあります。

普段のコーディングはCursorの補完で効率化し、特定のタスク実行やAPIモデルの切り替えはClineで行うといった、”いいとこ取り”の運用も実現できるでしょう。

最新AIモデル(Claude Sonnet 4.5など)の対応状況は?

新しいAIモデルが登場した際、最も素早く対応できるのはClineです。

ClineはAPIキーを設定して利用する仕組みのため、OpenAIやAnthropicといったプロバイダーが新モデルのAPIを公開すれば、設定画面でモデル名を指定するだけですぐに利用可能です。ツールのアップデートを待つ必要がありません。

CursorやWindsurfも、主要なモデルのアップデートに迅速に対応する傾向があります。設定画面のプルダウンから新モデルを選べるようになるまで、さほど時間はかからないでしょう。

一方、GitHub CopilotはMicrosoftとOpenAIの技術をベースにしているため、Anthropic社のClaudeシリーズなどが使えるようになる可能性は低いといえます。

学習コストや習得難易度の違いは?

どのツールもVS Codeのインターフェースをベースにしているため、VS Codeユーザーであれば操作に迷うことは少ないはずです。

その中でも特に習得が容易なのは、GitHub CopilotとClineです。これらは拡張機能として導入するだけで済み、既存の作業フローを大きく変えることなく使い始められます。

CursorとWindsurfは独自のIDEとして動作するため、固有の機能(CascadeやComposerなど)を使いこなすには、多少の慣れが必要になるかもしれません。

セキュリティやコード品質への影響は?

AIツール導入時に最も注意すべきなのは、「AIが生成したコードを鵜呑みにしない」ことです。

どのツールを使っても、セキュリティ上の脆弱性やバグを含むコードが生成されるリスクはゼロではありません。必ず人間がレビューを行い、テストを実施する体制が不可欠です。

情報漏洩の観点では、各ツールとも企業向けプランで「学習データとして利用しない」設定を提供しているため、適用することでリスクを抑えられます。

特にClineは、コードの処理がローカル環境とAPI通信のみで完結するため、データフローが明確です。セキュリティポリシーに厳しい組織でも、比較的導入のハードルを下げやすいツールといえるでしょう。

技術習得のための学習リソースや人材育成に使えるものは?

AIコーディング支援ツールを効果的に使うには、公式の学習リソースが役立ちます

Microsoftは、GitHub CopilotやVS Codeを活用したAI開発の学習コンテンツを複数提供しています。Microsoft Learn AI学習ハブ、Microsoft DeveloperのAI for developersページ、CourseraのGenerative AI for Software Developers Specializationなどがあり、企業の研修教材としても使えます。

Cursorについては公式の学習プログラムは少ないですが、実際のプロジェクトで学んだり、社内で独自のトレーニングを組んだりすると良いでしょう。

また、AI開発環境をどれにするか選ぶ際には、DORAのState of DevOps 2025レポートが参考になります。AIツール導入による効率や品質への影響がデータで示されており、ツール選定の判断材料として活用できます。

まとめ

Cursor、Windsurf、Cline、VS Code+GitHub Copilotは、それぞれが異なる強みを持つAIコーディングツールです。

どれが優れているかではなく、あなたの開発スタイルや目的に合うかどうかが大切です。

AIファーストの統合環境で先進的な開発体験を求めるならCursor、直感的な操作性と高度なコンテキスト理解を重視するならWindsurf、コストを抑えながら柔軟にカスタマイズしたいならCline、安定性と企業利用の実績を優先するならGitHub Copilotと、目的や求める機能によって選びましょう。

重要なのは、AIツールを導入すること自体ではなく、チームの生産性を実際に向上させられるかという点です。各ツールの特性を理解し、小規模なプロジェクトで試しながら、最適なツールを見つけていくことをおすすめします。

AIは開発者の代わりではなく、創造的な業務により多くの時間を割くためのパートナーです。定型作業をAIに任せることで、設計やアーキテクチャといった本質的な思考に集中できる環境を整えてみてはいかがでしょうか。

アイスリーデザインでは、Cursor・Windsurf・DevinといったAI開発エージェントと、GitHub Copilot や Gemini などの汎用LLMを“開発タスク特化型エージェント”として活用し、開発プロセスの効率化を実現する『AI駆動開発支援サービス』を提供しています。 

AI駆動開発の具体的なソリューションや導入をご検討の方はぜひお気軽にご相談ください。

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