Overview
概要
「MaaS(Mobility as a Service/モビリティ・アズ・ア・サービス)」という言葉をご存知でしょうか? これはフィンランド・ヘルシンキ市が2014年に公開した、2025年までに地域内の自家用車をゼロにするロードマップをきっかけに生まれた、ICTで多様な移動手段・交通サービスをワンストップで利用可能にする概念です。
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)が提供する「meemo(ミーモ)」は、そんなMaaSを活用することで、少子高齢化と都市部への人口集中が進む日本ならではの課題を解決しようというサービスです。
今回アイスリーデザインでは「meemo」の中核をなすiPhone用アプリ改修版の開発を担当いたしました。
「meemo」プロジェクトの中心人物であるOSS コミュニティソリューション事業本部NEXT事業統括本部の横田美希さん、技術創造センタ技術開発部の久米田晴香さん、平井佐和さんをお迎えして、同プロジェクトの概要と今回のアプリ開発の所感について伺いました。
Interview
インタビュー
“移動”で日本の地域課題解決を目指す「meemo」プロジェクト

プロジェクト全体の責任者として、サービス開発、事業計画、現場対応等を中心に手掛ける横田美希さん
そこで生まれたのが、住民同士による送迎、バス、タクシーといった多様な移動手段を網羅した「meemo」のコンセプト。送迎を必要とする住民と、登録ドライバーである住民をマッチングすることで、バスやタクシーの利用が難しい地域でもスムーズな移動を可能にする点が「meemo」最大の特徴です。
そんな「meemo」プロジェクトが実行に移されたのは2018年10月ごろ。偶然が重なり、早期のスタートが実現しました。
実証実験は好評。しかしアプリ開発に課題あり
「meemo」の実証実験は、2020年7〜9月の約3ヶ月間にわたり舞鶴市の加佐・西地域にて実施。実験に参加したのは、40名の認定ドライバーと51名の利用者の合計91名。期間中、ドライバーと利用者による送迎は全111回マッチングが成立し、利用者の4分の3以上が「住民送迎に不安を感じなかった」と回答するなど好評を得る結果となりました。
しかし、その一方で「meemo」アプリについては、利用者とドライバーからは完成度の低さを指摘する不満の声が多数寄せられてしまう結果ともなってしまいました。
実証実験の詳細はこちらよりご確認いただけます。

顧客SEとしてユーザーへのシステム解説、実証実験を通して得た要望検討、その他の調整等を担当している平井佐和さん
2020年の実証実験ではアプリのユーザビリティという点で多くの課題を残すことになりました。その改善を行うために「meemo」チームは新たに開発会社を探すことになりました。約20社と連絡を取り、その後はアイスリーデザインを含む数社と実際の面談を行ったといいます。

アプリの開発リーダーを務める久米田晴香さん
多数の開発実績、そしてUI/UXデザインに対する知見をもとに、デザインから開発までを一気通貫してプロジェクトに取り組めるのがアイスリーデザインの強みです。そのため当初、「meemo」の開発部分だけを請け負うのでは弊社のバリューを発揮できないと判断し、お断りさせていただきました。
しかし、アイスリーデザインの営業担当が「meemo」に非常に可能性を感じており、今後日本が直面する超高齢化社会に対して取り組む「meemo」に弊社の技術で寄与したいと強く考えたことで会社を説得。デザインや要求仕様がある程度固まっている中でも、アイスリーデザインのクラウドネイティブかつCI/CD(継続開発/継続デリバリ)を高速に提供できる開発手法で少なからずご協力ができると考えを改め、開発を請け負わせていただくこととなりました。
開発力とデザイン力、その相乗効果が発揮された開発フェーズ
紆余曲折を経て開発がスタートすることになった「meemo」改修ですが、実際には開発を始める前に約2ヶ月かけてデザインの手直しがアイスリーデザインで行われることになりました。
その理由は、当初のデザイン案が開発を前提とした作りになっていなかったことが判明したからでした。例えば、モバイルアプリのデザインでは、電波の不安定な状況でのエラー表示をはじめとした「異常系」と呼ばれる画面表示や遷移が必要となります。さらには文字入力の際に、入力文字数が予想以上に多かった際などどのようにUI上で対応するかといった、多岐にわたるイレギュラー事象の想定が必要となります。元デザインではこうした考慮が不足していたこともあり、アイスリーデザイン側で追加・調整することとなりました。

異常系画面(イメージ画像)
そして、このデザイン見直しが当初の全体スケジュールを圧迫することとなります。実際に開発可能なデザインに落とし込むための調整が多岐にわたった結果、ローンチまでの開発期間が大きく圧縮されてしまったのです。
そう、リリース直前にプッシュ配信サーバーの開発が間に合わないというトラブルが発覚してしまったのです。「meemo」は通常のアプリ以上に、プッシュ通知の重要度が高く、通知機能なしにはリリースできません。

プッシュ通知画面(イメージ画像)
PMF(プロダクト マーケットフィット)フェーズで長く愛されるアプリへ
こうして「meemo」はデザインの見直しなど、多くの困難を乗り越え、無事スケジュール通りにリリースされました。この改修版を使った2021年の実証実験では、利用者の皆さまから多くの好評の声をいただくことができたそうです。
アイスリーデザインの特徴の一つに、リリースした時点で終わるのではなく、リリース後も継続して開発支援できる体制を提供できるという点があります。
そのため毎週のようにデプロイしてローンチするという、大手Sier企業では難しい「スピード感」を実現できているのです。

アイスリーデザイン UXデザイナー:永峰 優(左) アカウント責任者:山本 真吾(右)
今後も「meemo」はさらなる改善を続けながら、日本の地域課題解決を通して、地方創生に寄与すべく展開していく予定です。

担当者からのコメント
アイスリーデザインはデザインから開発までを一気通貫した、デザインとエンジニアリングの融合を強みとする企業ですが、今回の「meemo」改修においては当初開発のみを請け負う予定でした。しかし、実際にはアプリ開発の知見を活かし、“開発に即したデザイン”への見直しからプロジェクトに携わらせていただく結果となりました。今後はPMFのための修正を高速で繰り返しながら、より根本からUI/UXのブラッシュアップにご協力させていただければと考えています。
Language/Frameworks
開発言語








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