【無料テンプレート付】ベンダーの提案力を引き出すRFPとは?作り方やAI活用のコツを紹介

「自社の課題はわかっているけれど、どう言語化すれば良い提案がもらえるのか正解がわからない…」
「自社の業務の流れや課題は分かっているけれど、ITや開発の知識がないから、どうシステムに落とし込めばいいか分からない…」

ベンダーに開発を依頼する際、RFP(提案依頼書)をどう作成すればよいかわからず、難しさを感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、開発ベンダーから見た「良いRFP」の共通点と、AIを活用した書き方のコツを解説します。RFP作成の経験が浅い方でも実践できる内容にまとめましたので、ぜひお役立てください。

アイスリーデザインでは、穴埋め式RFPテンプレートと項目別の書き方ガイドをセットで無料配布しています。本記事の内容と合わせてご活用いただくと、ベンダーの提案力を引き出すRFPをスムーズに仕上げられます。ぜひご活用ください。

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RFPとは?目的と含むべき項目

ここではまず、RFPの基本的な役割と全体像を解説します。

ベンダー側もこの定義を前提に提案を組み立てます。発注側もまずは全体像を共有しておきましょう。

RFPとは

RFP(Request for Proposal)とは、発注者がベンダーに提案を依頼するための文書です。アプリ開発やシステム開発の発注時に作成され、ベンダーはこの内容を読み込んで提案書や見積もりを作成します。

特にアプリ開発のように要件の幅が広いプロジェクトでは、RFPの完成度が提案内容や見積もり精度に直接影響します。

RFPの目的は「パートナー選定」

RFPの本来の目的は、「仕様通りの見積もりをもらうこと」ではありません。ビジネス課題を解決する最適なパートナーを見つけることが、RFP作成の本質です。

「なぜやるのか」「どうなれば成功か」の解像度が高いRFPほど、ベンダーは自社のノウハウを活かした提案を出せます。逆に手段や画面仕様だけが細かく書かれていると、ベンダーは指定どおり作る作業者にとどまり、本来持っているアイデアや技術的な引き出しが提案に反映されません。

RFPは「依頼書」であると同時に、ベンダーの思考を引き出すための問いかけでもあるのです。

RFPに含まれる主な項目

RFPに記載する項目は多岐にわたります。大きく4つのカテゴリに整理すると以下のとおりです。

項目含まれる内容
プロジェクト概要前提・制約条件、プロジェクト概要、背景・課題、ゴール、ターゲットユーザー
要件スコープ、機能要件、UX/UI要件、非機能要件、インフラ・開発環境
体制・進行責任分界点、作業場所、プロジェクト進行・管理、運用・保守
商務・契約見積・予算条件、提案手続き・選定方法、契約条件、その他

各項目の具体的な書き方は後述します。まずは「これだけの項目を網羅する必要がある」という全体像を押さえておきましょう。

開発者に伝わる「良いRFP」の4つの共通点

開発者に伝わる「良いRFP」の4つの共通点

ベンダーが提案精度を上げやすいRFPには、共通する特徴があります。ここでは開発者の視点から、その共通点を4つ紹介します。

これらの要素が揃うほど、ベンダーは本来の技術力やアイデアを提案に反映しやすくなります。

課題が言語化されている

画面構成や機能仕様(How)だけが詳細に書かれたRFPを受け取った場合、ベンダーは「本当に解決したいビジネス課題(Issue)は何なのか」を一から紐解き、足りないピースを補完することから始めなければなりません。

依頼内容の実装を前提とした見積もりを作りつつも、本質的な提案にするために「前提条件の確認」や「背景の逆引きヒアリング」に多くの時間と手数を要することになります。

一方、解決したい課題が言語化されているRFPは、ベンダーの思考を実装方法の検討から課題解決の構想へと向けます。ヒアリングの初回から本質的な議論に入りやすく、ベンダーは自社の技術知見や過去案件の経験を踏まえた提案を出しやすくなります。

How(手段)ではなくIssue(課題)でベンダーに問いかけることで、ベンダーは提案の質を一段引き上げられます。

背景が具体的な数値で示されている

「ECアプリの購入率が低い」のような抽象的な表現でRFPが書かれている場合、ベンダーは課題の深刻度やボトルネックの所在を正確に特定できないため、まずは「外さない提案」にするための前提条件の洗い出しや、状況の推測に多くの時間を費やすことになります。

提案の精度を落とさないよう、ヒアリングでの軌道修正を前提とした防衛的な見積もり(幅のある概算)を組まざるを得ず、初期段階からクリティカルな改善策にリソースを集中させることが難しくなってしまいます。

たとえば「カートに商品を追加した後の購入完了率が25%にとどまっており、離脱の6割が住所入力画面で発生している」「店舗在庫の確認のために問い合わせ電話が殺到し、店舗スタッフの1日の応対時間が平均2時間を超えている」のように数値で示されていれば、ベンダーは改善インパクトを試算したうえで、優先度の高い箇所から提案を組み立てられます。

具体的な数値は、ベンダーが課題の深刻度と影響範囲を正確に把握し、提案の精度と確度を上げるための判断材料として機能します。

目的・ゴールが経営インパクトのある数字で設定されている

ダウンロード数や会員登録数のような中間指標だけがゴールに設定されている場合、ベンダーは提案を組み立てる前に、まず「その先にある真に解決すべき経営課題」をヒアリングによって探り当てる動きをとります。目先の中間指標を鵜呑みにして提案を進めてしまうと、経営層が求める成果(売上や利益など)との間にギャップが生じてしまうからです。

カート購入完了率の向上、店舗への問い合わせ電話の削減率、リピート購入率の改善のように、経営インパクトのある数字でゴールが示されていれば、ベンダーは機能の優先度や設計判断の根拠を経営成果から逆算できます。提案全体の筋も一貫したものになります。

機能の優先順位が整理されている

要望がすべて「必須機能」として並べられている場合、ベンダーは提案をまとめる前に、「予算や納期に収めるために、削れる機能や後回しにできる要素はないか」をヒアリングや仮説検証を通じて探る動きをとります。

どれを後回しにしてよいかの判断材料がないままでは、リスクを考慮して全要望を盛り込んだ高額な見積もりを出さざるを得ないか、手探りで複数の段階リリースプランを準備することになってしまいます。

「Must」と「Nice to have」の仕分けがされていれば、ベンダーは予算と納期の制約に応じた段階リリースの設計まで提案できます。「まずMVPでこの範囲、半年後の改修でこの範囲」といった具体的なフェーズ分けも可能になります。

RFPを書く前に社内で整理すべき5つの要素

RFPを書く前に社内で整理すべき5つの要素

RFPを書き始める前に、社内で整理しておくべき要素があります。ここが曖昧なまま書き始めると、RFP自体がブレてベンダーへの伝達精度も落ちてしまいます。

これら5要素は、RFP本文を書くための設計図です。順に見ていきましょう。

目的(なぜ作るのか)

目的が曖昧だと、機能を詰め込みすぎたり優先順位が後からブレたりします。

「ひとつの課題を、ひとつの体験で解決する」発想でシステムの存在意義を絞り込むことが大切です。

さらに「なぜこのシステム・手法でなければならないのか(他の手段や現状の運用のままではダメな理由)」まで言語化できると、ベンダーはそのシステムならではの強みを活かした最適な設計やアーキテクチャを提案しやすくなります。

ユーザー像(誰が使うのか)

ユーザー像が曖昧だと、機能やUX/UIが的外れになり、リリース後に使われないシステムになりがちです。

複数のユーザー像を並列に扱うのではなく、中心ペルソナを1人に絞ると設計に一貫性が生まれます

年齢・属性だけでなく、利用シーン(時間帯・場所・頻度)まで具体化しておくと、UX設計の精度が上がります。

KPI(何を達成したいのか)

KPIがないと、Webサービス/アプリの貢献度を測れず改善判断も場当たり的になります。「月間予約数1,000件」「来訪率10%向上」のように、定量的な指標を設定しましょう

設定した数値が経営インパクトに結びついているかは、前章「良いRFPの共通点」で触れたとおり、提案の質を左右する論点です。

予算・スケジュール(どこまでリソースをかけるか)

全要望を初期リリースに詰め込むのではなく、優先度をつけて段階的に拡張する前提を持ちましょう。MVPでまず出し、ユーザーの反応を見ながら育てていく形が望ましいといえます。

上限予算とリリース希望時期を社内で固めておくと、ベンダーは予算と納期に見合った機能セットを提案できます。

社内体制(どのように進めるか)

意思決定者・承認フロー・現場担当者の役割が曖昧だと、プロジェクトは停滞しベンダーも動けません。

ベンダーとの窓口は一本化し、リリース後の運用・改善体制まで見据えて関係者を巻き込んでおきましょう。複数部門にまたがる場合は、優先順位や役割のすり合わせを発注前に済ませておくと安心です。

アイスリーデザインでは、目的・ユーザー像・KPIから社内体制まで全30項目で発注準備状況を点検できる「アプリ開発 発注前チェックリスト」を配布しています。頭の中だけで整理した5要素を客観的に確認できますので、RFPを書き始める前のセルフチェックとしてご活用ください。

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【項目別】AIを活用したRFPの書き方

社内の準備状況や手元にある資料のレベルによって、AI活用のアプローチは変わりますが、ここではどのような準備状況からでも実践しやすい「特定の項目・プロセス」にフォーカスして、書き方の原則とAIを賢く活用するコツを紹介します。

なお、AIに丸投げしても良いRFPは書けません。社内準備や原則の理解があってこそ、AIが言語化の補助として機能します。

背景・課題|現場の不満を課題に翻訳する

現場から上がる不満や改善要望は、そのままだと抽象的なケースが多いものです。「UIを良くしたい」「使いにくいから直したい」といった声を、ベンダーが動けるレベルの課題に翻訳することが大切です。

  • Before:「現場スタッフが使う業務アプリが古くて入力に時間がかかる」
  • After:「店舗での日次報告入力に1人あたり平均40分かかっており、営業時間後の業務の半分を占めている」

AIの使い方としては、現場からヒアリングした生の不満メモを箇条書きでAIに渡し、「ベンダーが理解しやすい形で、数値目標やビジネス上の機会損失に翻訳してほしい」と依頼します。

なお、出てきたアウトプットはAIによる仮説として扱い、自社の実データや業務文脈と照らし合わせて推敲してください。

機能要件|機能リストをユーザーストーリーに変換する

機能名を羅列するだけのRFPは、ベンダーを「指定どおり作る作業者」に固定してしまいます。「ユーザーがどう使うか」のストーリーで書くと、ベンダーは技術的な最適解を提案できます

  • Before:「商品検索機能を実装。商品コード、カテゴリ、ステータスで絞り込める。検索フォームは画面上部に配置。」
  • After:「現場スタッフは業務の合間に在庫を確認する必要がある。端末を見ながら片手操作で目的の商品にたどり着けるUIと検索ロジックを提案してほしい」

AIの使い方としては、「実装したい機能リスト」と「ターゲットユーザー像」をセットでAIに渡し、「機能を指定するのではなく、ユーザーが目的を達成するための体験課題として書き換えてほしい」と依頼します。

アウトプットを叩き台に、自社が解きたい体験課題を絞り込んでいきましょう。

責任分界点|API責任範囲の論点を洗い出す

責任分界点、特にAPI連携の範囲が曖昧だと、見積もりが数千万円単位でブレることもあります

アプリが表示するデータ(会員情報、商品情報など)を取得するAPIが、以下のいずれに該当するかを、発注前に明確にしておく必要があります。

  • 既存のものを使うのか
  • これから社内システム部門が作るのか
  • ベンダーに開発してほしいのか

AIの使い方としては、「アプリ開発で後からトラブルになりやすいAPI連携や責任範囲について、ベンダーが事前に知っておきたい質問リストを作ってほしい」と依頼します。AIから返ってきた質問リストに自社で回答していく過程で、責任分界点が自然と整理されていきます。

ここまで解説した3項目以外にも、非機能要件・予算・契約条件など、RFPの各項目には書き方のコツがあります。アイスリーデザインでは、多数のアプリ開発支援で培ったノウハウをもとに、穴埋め式テンプレートと項目別の書き方ガイドをセットで配布しています。

自社情報を埋めるだけでベンダーの提案力を引き出すRFPに仕上がりますので、書き始める前にダウンロードしてご活用ください。

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RFPを書き終える前にやるべき最終チェック

RFPを書き終える前に、3つのチェックをしておくと提案の質に差が出ます。

いずれも、提出するRFPの解像度を一段引き上げる工程です。それぞれの進め方を順に解説します。

現場の「痛み」をヒアリングして背景に反映する

RFPを書いている担当者の頭の中だけでは、現場のリアルな課題は拾いきれません。

営業・カスタマーサポート・店舗スタッフなど、日々ユーザーや業務と向き合っている担当者に直接聞き取りましょう。「日常業務で負担になっている作業」「ユーザーから繰り返し届く要望や不満」を聞き出し、RFPの「背景・課題」セクションに具体的な数値や事例として反映します。

ヒアリングは1度ではなく、対象部署ごとに行うと観点の偏りを防げます。

システム部門と利用環境・セキュリティ基準の合意をとる

API連携の可否、セキュリティチェックシートの有無、利用可能なクラウド環境について、RFPを書き終える前にシステム部門と握っておきましょう

ここが曖昧だと、提案を受けた後でクラウド利用の可否やAPI連携ルールなど、社内側の制約と提案内容が噛み合わないことが判明し、見直しや再見積もりが発生します。

事前の合意は、見積もりブレと手戻りを防ぐ働きをします。

機能をMust / Nice to haveに仕分ける

ここでは、優先順位の整理を具体的なアクションに落とし込みます。

仕分けの目安は、「初期リリースに絶対必要なもの」と「あれば嬉しいもの」の2分類です。判断に迷う機能は、「これがなくても初期リリースの成果指標は達成できるか」を問うと整理しやすくなります。

仕分けが甘いままRFPを出すと、要望を網羅しただけの提案しか戻ってこず、段階的なリリースが難しくなるでしょう。

アイスリーデザインでは、目的・要件・体制の整理度合いを30項目で確認できる「アプリ開発 発注前チェックリスト」を配布しています。書き上げたRFPは、提出前にもう一度点検しておくと安心です。書き終えたタイミングでの最終チェックとしてもご活用ください。

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まとめ

この記事では、ベンダーの真価を引き出すRFPの書き方について解説してきました。

  • RFPの目的は仕様の伝達ではなく、ビジネス課題を解決するパートナー選定にある
  • 良いRFPは課題が言語化され、背景が数値で語られ、経営インパクトのある数字でゴールが設定されている
  • AIは言語化の補助に使えるが、社内準備と原則の理解があってこそ機能する

アイスリーデザインでは、穴埋め式でそのまま使えるRFPテンプレートと書き方ガイドをセットで配布しています。RFPを書き始める準備が整った方は、ぜひご活用ください。

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あわせて、発注準備度合いを30項目で確認できるチェックリストもご用意しています。自社の現状を客観的に把握したい方はこちらをどうぞ。

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