アプリ開発企画書の作り方・要素を解説!作成の必要性と9つのポイント

アプリ開発の企画書作成の必要性と9つのポイント | サムネイル

アプリ開発の企画書を作成することになったものの、何から手をつければよいかわからず困っていませんか?

企画書作成が初めての場合、必須項目がわからない、予算の妥当性が判断できない、説得力のある根拠をどう示せばよいか悩むのは当然です。完成度が低いと何度も差し戻され、プロジェクトが進まないケースも少なくありません。

この記事では、社内承認を得るために盛り込むべき必須項目から、説得力を高める書き方、予算・スケジュールの立て方まで解説します。

初めて企画書を作成する方や、過去に差し戻しを経験して改善点を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

アイスリーデザインでは、UX/UIに焦点をあてたプロダクト開発手法で、モダンアプリケーション開発を提供しています。構想からUX/UI設計、開発、運用までをワンチームで伴走し、ヒアリング・ビジネス要求定義から競合分析、ユーザーインタビューまで、企画段階から支援可能です。

アプリ開発をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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アプリ開発での企画書の必要性・メリット

アプリ企画書を作る3つのメリット

アプリ開発プロジェクトを成功させるには、企画書の作成が欠かせません。企画書は単なる形式的な資料ではなく、プロジェクト全体の方向性を決める役割を果たします。

ここでは、目的や狙いの整理、開発チームとの認識合わせ、社内承認や予算獲得という3つの観点から、企画書作成のメリットを解説します。

メリットを理解することで、企画書作成への取り組み方が明確になるでしょう。

目的や狙いを整理しやすくなる

企画書を作成する最大のメリットは、「何のためにこのアプリを作るのか」という目的と、「どんなビジネス課題を解決したいのか」という狙いを言語化できることです。

多くの企業では「アプリを作れば売上が伸びるだろう」といった漠然とした期待からプロジェクトが始まりがちですが、企画書作成の過程でビジネス課題の特定とアプリの位置づけがはっきりしていきます。

目的を整理する際は、以下の3つの問いに答えてみてください。

問い定義すべき内容
誰にターゲットユーザー
何をどんな価値やサービス
どのようにどんな手段や機能で提供するのか

この3つが明確になれば、機能やデザインに優先順位をつけられ、無駄な開発を避けられるでしょう。

目的が明確になることでメンバー間の認識のずれも防げるため、開発がスムーズに進みます。企画書は、ステークホルダー全員が同じ方向を向くための「プロジェクトの指針」になるのです。

開発チームとの認識をそろえられる

企画書があることで、開発チームとクライアント(社内のリソースで開発する場合には社内担当者)の間で「何を作るのか」の認識を正確にそろえられます

アプリ開発案件では、要件定義や仕様の不備が原因でトラブルが発生することもあります。大規模案件ほど手戻り工数が増加し、工期遅延やコスト超過のリスクも高まるでしょう。

企画書で事前に共有しておくべき内容は以下のとおりです。

決めるべきこと詳細
ターゲットユーザー具体的な悩みやニーズ
実装すべき機能優先順位と要件定義
デザインの方向性UX/UIの基本方針
競合状況差別化のポイント

これらを文書化すれば、開発チーム全体が同じ方向を向いて進めるための「共通言語」が生まれます。

社内承認・予算獲得につなげられる

企画書に必要な要素を整理しておくことで、社内稟議をスムーズに進め、予算とリソースを獲得しやすくなります

経営層が最も重視するのは、投資対効果の明確さです。「便利なアプリを作りたい」という提案では承認を得られない可能性があります。市場規模や競合状況、想定ユーザー数、収益予測といった定量データで、投資に見合うリターンを示しましょう。

企画書に盛り込むべき定量データには、次のようなものがあります。

記載項目盛り込む内容
市場規模成長性を示すデータ
競合アプリ分析結果と差別化のポイント
開発費用内訳と運用コストの見積もり
想定ROI収益化までのシナリオ
リスク要因対策案

中長期的な視点を含めて説明すれば、承認者の理解と信頼を得やすくなるでしょう。

アプリを企画する前に考えるべきこと

企画書を書き始める前に、考えるべきポイントがあります。「なぜ作るのか」「誰のために作るのか」「競合とどう戦うのか」という3つの問いです。

ここでは、目的と課題の明確化、ペルソナ設定、競合分析、差別化ポイントの整理という4つの内容を解説します。

これらを企画段階で固めておけば、社内承認を得やすくなり、無駄な開発コストも削減できるでしょう。

アプリの目的と課題を明確にする

アプリ開発を始める前に、「なぜこのアプリが必要なのか」を言語化しましょう。

目的や課題を整理する作業は難しく感じるかもしれません。しかしここを曖昧にしたまま進めると、後の工程で認識のずれが生じ、手戻りや予算超過のリスクが高まります。

アプリで解決すべき課題の例は以下のとおりです。

課題例具体的な状況
エンゲージメント低下既存顧客のエンゲージメントが低下している
新規獲得の停滞新規顧客の獲得が伸び悩んでいる
来店頻度の向上店舗への来店頻度を高めたい

「売上を〇%向上」「MAU〇万人達成」「CVR〇%改善」といった数値目標を掲げれば、社内承認を得やすくなるでしょう。

事業課題とアプリの目的を紐付け、「なぜこの投資が必要なのか」を定量データとともに説明できる状態を目指してください。

ターゲット像(ペルソナ)を具体化する

ターゲットユーザーを「20代女性」「ビジネスパーソン」といった曖昧な言葉だけで定義するケースは少なくありません。

説得力のある企画書には、デモグラフィック情報(年齢、性別、職業、年収、居住地など)を定義したペルソナ設定が欠かせません

たとえば「都内在住の28歳女性、ITベンチャー勤務、年収450万円、平日は通勤時間にスマホで情報収集」といったプロフィールを描きます。

属性に加えて、以下の項目も整理しておくと効果的です。

検討項目整理すべきポイント
利用シーンどんな場面でアプリを使うのか
課題何に困っていて、どんな解決を求めているのか
不満点類似サービスに何を感じているのか

ペルソナの行動や心理をより深く理解するには、カスタマージャーニーマップの作成が有効です。詳しい作り方は以下の記事で解説しています。

ペルソナを詳細に設定すれば、本当に必要な機能が見えてきます。チーム内で「誰のために作るのか」という共通認識も持てるようになるでしょう。

ペルソナ設定がビジネス成果にどうつながるか詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

競合アプリの特徴を把握する

競合アプリの調査は、企画を成功させるための土台です。

参入する市場で主要な競合アプリを3〜5つリストアップしてください。App StoreやGoogle Playのカテゴリランキング上位、またはターゲット層がよく使っているアプリを選びます。

競合アプリを分析する際は、以下の観点で情報を整理します。

分析項目確認すべき観点
機能・コンテンツ搭載されている機能やコンテンツの種類
UX/UI設計思想やデザインの方向性
ターゲット層ユーザー層と訴求のポイント
価格設定収益モデル
プロモーション集客施策

アプリストアのレビューも分析してください。高評価レビューからは「ユーザーが何を価値と感じているか」が、低評価レビューからは「どんな不満があるか」が見えてきます。

競合との差別化ポイントを整理する

競合分析で把握した情報をもとに、自社アプリならではの独自価値を言語化してください。

競合が満たせていないユーザーニーズを特定することが、差別化の出発点です。競合アプリのレビューを読み込むと、「使いづらい」「ほしい機能がない」といった不満点が見えてきます。これらを解消する機能を盛り込めば、強力な差別化要素になるでしょう。

差別化につながる強みには、以下のようなものがあげられます。

強みの種類活用方法
データ・知見の活用既存顧客データや業界知見を活用できる
技術・サービス連携独自の技術やサービスと連携できる
未開拓市場への展開競合が参入していない業界や地域で展開できる

差別化ポイントは、企画書全体の説得力を左右する要素です。定量データやユーザーの声を根拠に示せば、社内承認や予算獲得の確度が高まるでしょう。

アプリ開発の企画書作成でまとめるべき要素

アプリ企画書に入れるべき6つの要素

企画書を作成する際は、社内承認を得るために必要な要素を漏れなく盛り込みましょう。ここでは、説得力のある企画書に必須となる6つの構成要素を解説します。

課題と目的の定義、提供価値、機能の優先順位、デザインの方向性、予算・スケジュール・収益モデル、プロモーション戦略を順に見ていきます。

これらを体系的に整理すれば、一貫性のある内容になり、企画書の完成度が高まります。

アプリの目的と解決する課題

企画書において、最初に明確化すべきなのが「なぜこのアプリを作るのか」という目的です。

事業目標の視点では、売上向上や顧客エンゲージメント強化、コスト削減効果など、投資に対して得たい成果を定義しましょう。

「既存顧客の年間購買額を20%向上させる」「問い合わせ対応時間を月間100時間削減する」といった数値目標を設定すると、経営層への説得力が高まります。

一方、ユーザー視点での課題も明確にしておく必要があります。

課題例ユーザーが感じている不便
情報収集の時間情報収集に時間がかかりすぎる
店舗での待ち時間店舗での待ち時間が長い
サービスへのアクセス必要なサービスにすぐアクセスできない

こうした課題に対し、アプリがどう解決策を提供するのかを簡潔に示せば、企画の「Why」が明確になるでしょう。

想定ユーザーと提供価値

ターゲットユーザーを明確に定義することで、提供すべき価値が自然と見えてきます。

「30代女性」といった属性だけでなく、日常の行動パターンやアプリに求めるニーズまで掘り下げて記述してください。

ターゲットユーザーの定義に含めるべき項目は以下のとおりです。

定義項目記載内容
属性ターゲットの年齢・職業・ライフスタイル
課題抱えている具体的な課題や不満
期待する体験アプリで実現したい体験や成果

提供価値は、ユーザー視点で「何ができるようになるか」を言語化してください。

競合との差別化も、機能の違いだけでなく「時間短縮」「不安解消」「楽しさ」といった体験価値として示すと伝わりやすくなります。

必要な機能と優先順位(MVP)の整理

すべての機能を初回リリースに盛り込もうとせず、MVP(実用最小限の製品)の考え方で優先順位を整理してください。

MVPとは、ユーザーの基本的ニーズを満たす最小限の機能だけを実装した製品です。短期間で市場に投入してフィードバックを得れば、コストと時間を削減できます。

優先度内容リリース時期
Must have必須機能初回リリース
Should have重要だが必須ではない第2フェーズ
Could haveあれば望ましい第3フェーズ以降
Won’t have今回は実装しない検討対象外

飲食店アプリであれば「メニュー閲覧・予約機能」はMust、「クーポン配信」はShould、「SNS連携」はCouldといった具合です。

MVP範囲と今後のロードマップをフェーズ分けして記載してください。

MVP開発については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

デザイン・UIの方向性

デザインとUIは、ユーザーの第一印象と継続利用率を大きく左右します。

ターゲット層の属性や利用シーン、ブランドイメージに合わせたデザインコンセプトを明示するようにしましょう。シニア向けであれば大きな文字と高コントラストの配色、ビジネスパーソン向けであれば洗練されたミニマルデザインといった方針です。

デザイン・UIを検討する際に決めておくべき要素は以下のとおりです。

検討要素決めるべき内容
視覚要素ブランドカラーやフォント、アイコンスタイルの統一ルール
画面構成画面遷移の階層構造と主要な導線設計
ガイドラインiOS Human Interface Guidelines、Material Designなど

ユーザーが迷わず目的を達成できるよう、明確な階層構造と一貫したナビゲーションを設計しましょう。

企画段階からワイヤーフレームで画面構成を可視化すると、開発チームとの認識共有がスムーズになります

UIデザインにおけるトンマナについては、以下の記事で詳しく解説しています。

UIデザインにおけるトンマナとは?重要性と設計時のポイントを解説 | サムネイル

予算・スケジュール・収益モデルの計画

初期段階で現実的な予算とスケジュールを設定し、収益のモデルを明確にしましょう

開発費だけでなく運用・保守費やプロモーション費も含めた総コストを記載します。

費目算出方法・含まれる費用
開発費人件費×期間で算出
運用費サーバー・保守・更新費用
マーケティング費プロモーション・広告予算

国内企業のアプリ開発費は100万円未満から2,000万円超まで幅広く、予算規模によって開発期間も変わります。一般的なビジネス向けアプリであれば、企画からリリースまで4か月から6か月ほどかかるのが標準的な目安です。

収益モデルは「どの方法でどれくらい稼ぐか」を示してください。ROIの試算も記載すれば、経営層への説得力が高まります。

プロモーション・集客計画

リリース後、ユーザーに見つけてもらい継続的に使ってもらうには、計画的なプロモーションが欠かせません

代表的なプロモーション施策と期待できる効果は以下のとおりです。

施策期待できる効果
SNS広告・インフルエンサー施策ターゲット層への認知拡大
ASO(App Store最適化)App Store・Google Playで自然流入を促進
既存顧客への告知Webサイト連携で初期DL数を確保

ダウンロード後の定着率向上も欠かせません。プッシュ通知やアプリ内メッセージを活用したパーソナライズ施策など、施策を計画に組み込んでおくことで継続利用を促進できます。

「どう知ってもらい、どう使い続けてもらうか」を具体的に描けば、説得力のある提案になるでしょう。

以下の記事では、プッシュ通知の効果や活用シーンについて詳しく解説しています。

アイスリーデザインでは、アプリ開発の発注を検討している方向けに、要件定義・予算・ベンダー選定に活用できる資料を無料で公開しています。

アプリ開発で成功・失敗するポイントや、発注前に準備しておくべき5つの要素を解説。発注前のチェックリスト(全30項目)も掲載していますので、企画書作成時の抜け漏れ確認にもご活用ください。

アプリ開発 発注前チェックリストをダウンロードする

アプリ開発の企画書作成のポイント

企画書を作成する際は、仕様や開発方針を具体的に定義し、関係者が判断できる形で記載してください。ここでは、盛り込むべき9つの決定事項を解説します。

これらを押さえれば社内承認を得やすく、開発会社との認識のずれも防げます。

アプリの種類(ネイティブ/Web)を決める

まず、ネイティブアプリとWebアプリのどちらを選ぶかを明確にしてください。この選択は開発コストやユーザー体験に大きく影響します。

ネイティブアプリは端末にインストールして利用し、カメラ・GPS・センサーなどデバイス機能に直接アクセスできます。リッチな操作性やオフライン動作、プッシュ通知など高度な機能を実現しやすいでしょう。

Webアプリはブラウザ上で動作し、インストール不要でURLからアクセスできます。単一のコードで複数のOSや端末に対応でき、開発・保守コストを抑えやすいです。

ネイティブアプリとWebアプリの違いはこちらの記事で詳しく解説しています。

対応OSの方針を固める

iOSとAndroidのどちらに対応するか、あるいは両方をカバーするかも明確にしましょう。この判断は開発コストと期間に直結します。

日本国内のスマートフォンOSシェアは、iPhone約48%・Android約52%とほぼ拮抗しています。ただし年齢層によって偏りがあり、20代女性ではiPhone利用率が81%に達します。

参照:2025年9月スマートフォンOSシェア調査

OS選択ごとのメリット・デメリットは以下のとおりです。

選択メリットデメリット
iOS優先若年層・都市部へリーチ可能、開発工数削減Android利用者を取りこぼす
Android優先シニア層・地方ユーザーへリーチ可能若年層の機会損失
両OS対応市場全体をカバー可能開発・保守コストが約2倍

なお、両OS対応を選ぶ場合は、FlutterやReact Nativeなどのクロスプラットフォーム開発でコストを抑える方法もあります。 

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ペルソナの年齢層やライフスタイルと照らし合わせたOS選定を行い、その根拠も記載しておきましょう。

核となる機能と要件を定義する

機能はユーザーの課題解決に直結する必要最小限に絞り込みましょう。MVPの考え方を取り入れ、初期リリースでは本当に必要な機能だけを選定します。

機能の優先度は、以下のように分類すると整理しやすくなります。

優先度位置づけ
必須機能サービスの核となる、なくてはならない機能
重要機能ユーザー体験を大きく向上させる機能
便利機能初期リリースでは見送ってもよい機能
将来機能段階的に追加を検討する機能

各機能について、画面遷移や操作の流れを具体的に記述してください。ワイヤーフレームを活用すれば、開発チームとの認識のずれを防げるでしょう。

デザインの方向性を決める

デザインの方向性は、使いやすさとブランドイメージを両立させる要素です。

そこで、ブランドイメージを反映したデザインコンセプトを策定しましょう。ロゴの配色やトーンをUIに統一することで、ユーザーに一貫した世界観を届けられます。

UI設計で押さえておきたい方針は以下のとおりです。

設計方針具体的なアプローチ
機能配置利用頻度の高い機能を画面上層に配置する
操作の最小化タスクフローに沿って操作ステップを最小化する
ボタン配置親指で押しやすい位置に主要ボタンを配置する

Apple Human Interface GuidelinesGoogle Material Designといった公式ガイドラインを根拠として示すと、説得力が増すでしょう。

マネタイズ方法を整理する

マネタイズ戦略は、開発コストの回収と継続的な収益確保の両面から詳細に示すようにしましょう

代表的なマネタイズモデルは以下のとおりです。

モデル内容適したアプリ
アプリ内課金追加機能やコンテンツを販売ゲーム、コンテンツ系
サブスクリプション継続利用で月額・年額課金メディア、SaaS
広告収入ユーザー数に応じた広告表示ニュース、SNS

単一モデルではなく、複数を組み合わせると収益が安定しやすくなります。無料プランで広告を表示しつつ、有料プランで広告を非表示にする設計であれば、幅広いユーザー層を取り込めるでしょう。

各モデルの収益予測を数値で示し、ROI試算も併記するようにしてください。

開発スケジュールとマイルストーンを設計する

開発スケジュールは、社内承認を得るための判断材料になります。

アプリ開発は要件定義・設計・開発・テスト・リリースの5つのフェーズで構成されます。

「要件定義完了」「デザイン承認」「初回ベータ版リリース」といった節目を可視化すれば、進捗管理がしやすくなるでしょう。

フェーズ期間目安内容
要件定義2週間〜1ヶ月機能仕様の確定
設計2週間〜1ヶ月画面・データ構造設計
開発1〜2ヶ月実装・コーディング
テスト2週間程度動作確認・デバッグ
リリース1週間程度審査・公開準備

ただし、期間はあくまで目安で、正確な期間は専門家に相談することをおすすめします。

アプリ開発の期間についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

アプリ開発の期間はどれくらい?工程ごとの目安と進捗管理のポイント

成功指標(KPI)と目標数値を設定する

アプリ開発の成功を客観的に測るため、明確なKPIと目標数値を設定しましょう。

代表的なKPI指標には、以下のようなものがあります。

指標測定内容
ダウンロード数・会員登録数初期獲得の規模を測定
MAU・DAU月間・日次のアクティブユーザー数
継続率(リテンション率)ユーザーの定着度を測定
コンバージョン率(CVR)目標アクションへの転換率
売上・収益最終的な収益成果

売上目標を「アクティブユーザー数×顧客単価」に分解し、KPIツリーで階層的に整理すれば、どの指標を改善すべきか明確になります。

「登録者を3ヶ月で20%増加」のように数値と期限を明記するとよいでしょう。

運用・改善のルールを考える

アプリはリリースして終わりではなく、継続的な運用・改善こそが長期的な成功を左右します。

「誰が」「どの頻度で」「何を更新するか」まで整理し、サーバー保守やセキュリティ対応、バグ修正の責任範囲を明確化しましょう。

ユーザーフィードバックの収集・分析体制も欠かせません。App StoreやGoogle Playのレビュー管理、アプリ内フィードバック機能を活用し、ユーザーの声を改善へ反映するPDCAサイクルを構築してください。

伝えるべき情報をわかりやすく構成する

企画書は「何を伝えるか」と同じくらい「どう見せるか」が大切です。

企画書の基本的な構成要素は以下のとおりです。

構成要素記載すべき内容
エグゼクティブサマリー結論・要点を1ページで
現状の課題と背景なぜ今このアプリが必要か
提案内容目的・機能・ターゲット
期待効果とKPI達成したい成果指標
実行計画予算・スケジュール・体制

経営層向けには、冒頭で結論を明示し、理由や根拠を後から補足する「結論優先」の構成が効果的です。

現状の課題→理想の姿→ギャップ解消策という流れでストーリーを組み立てると、読み手の共感と納得を得やすくなるでしょう。

企画書での予算の立て方

予算は、開発費用を項目別に分解して算出する方法が実用的です。

主な費目と含まれる内容は以下のとおりです。

費目含まれる内容
開発費用エンジニアの人件費×開発期間
デザイン・UX/UI制作費画面設計・ビジュアル制作
テスト・品質保証費用動作検証・バグ修正
サーバー・ツール・ライセンス費用インフラ・外部サービス利用料
運用・保守費用リリース後の維持管理

機能一覧を基に、機能単位で工数を見積もると精度が高まります。相場調査を行い、機能ごとに整理した概算を示せば、社内承認を得やすくなるでしょう。

アプリ開発の費用について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

アプリ開発の費用相場はいくら?見積りの見方と合わせて解説

アプリ開発の企画書で注意すべきポイント

企画書作成で注意すべき6つのポイント

企画書を作成する際には、必須項目を盛り込むだけでなく、法的リスクや客観的根拠にも目を向けましょう。法律違反や著作権侵害のリスクがあれば承認を得られないほか、数値データが不足していれば説得力にも欠けます。

ここでは、最終チェックで確認すべき6つの事項を解説します。

これらを押さえれば、開発開始後のトラブルを未然に防げるでしょう。

法律や規約に抵触していないか確認する

法律や各プラットフォームの規約に抵触していないか事前に確認してください。リリース後に違反が発覚すると、公開停止や損害賠償といった深刻なリスクを招きます。

確認しておくべき法律・規約は以下のとおりです。

確認事項遵守すべきポイント
個人情報保護法利用目的を特定し、本人への通知・公表が必須
要配慮個人情報本人の同意を得て取得する必要がある
第三者提供提供先・目的を明示して事前同意を取る
App Store/Google Play年齢制限、審査基準、禁止事項の確認

Apple・Googleの審査ガイドラインは頻繁に更新されるため、企画段階で最新の基準を確認しましょう

著作権・素材利用の問題を確認する

アプリに使用する画像、音楽、動画、フォントなどの素材は、著作権の確認が欠かせません。無断使用が発覚すると、リリースの遅延や開発中止といったリスクを招きます。

素材を使用する際に確認すべき項目は以下のとおりです。

確認項目注意点
商用利用の可否社内向け企画書でも業務利用は商用扱いになる
クレジット表記表記の要否を確認する
加工・改変許可範囲を確認する
追加ライセンス素材が主役か脇役かで必要になる場合がある

「フリー素材」でも著作権は消滅しておらず、各サイトの利用規約に従う必要があります。

ユーザーにとっての価値を明確にする

「誰の」「どんな課題を」「どう解決するのか」を具体的に言語化しましょう。

ユーザー価値を明確にするための検討項目は以下のとおりです。

検討項目アプローチ
ターゲット分析年齢・行動・課題を整理し、ニーズに直結する機能を抽出する
UI設計方針情報量を絞ったわかりやすいUI設計と、操作手順の最小化を行う
競合との差別化競合アプリのレビューから頻出クレームを分析し、不足機能の補完やUI改善で差別化する

競合アプリのレビューでは、クラッシュ(アプリが突然落ちる現象)やわかりにくいUIがネガティブな評価として頻出します。こうした不満点を解決できれば、独自の価値として説得力が増すでしょう。

数値データと市場根拠を示す

企画書の説得力を高めるには、定量的なデータで市場の妥当性を示すことが大切です。

企画書に盛り込むべきデータ項目は以下のとおりです。

データ項目示すべき内容
ターゲット市場規模と成長率を明記する
競合データアプリの利用者数・収益データを比較する
ROI試算投資回収の見通しを示す

収益化モデルの試算では、想定ユーザー数×課金率×単価でROIを算出しましょう。

リスク対策を明記する

予期せぬトラブルが発生する可能性があるため、企画段階からリスクを洗い出し、対策を明記しておきましょう

想定されるリスクと対策方針の例は以下のとおりです。

リスク対策方針
個人情報の漏洩リスク暗号化や多要素認証などの保護策を明記する
不正アクセス対策多層防御やアクセス制御の具体的な防御方針を示す
脆弱性への対応診断計画と発見時の修正・公表手順を定める
サーバーダウンやバグ対応継続保守体制や強制アップデート機能の実装計画を立てる

後付けではなく、最初からセキュリティ対策を設計に織り込む「セキュリティ・バイ・デザイン」の考え方を採用しましょう。

企画書テンプレートを活用する

効率的かつ漏れなく作成するには、既存のテンプレートやワイヤーフレームを活用する方法が役立ちます

テンプレートを使えば、目的・ターゲット・機能・予算といった必須項目があらかじめ整理されているため、記入漏れを防ぎながら作成時間を短縮できるでしょう。

ただしテンプレートはあくまで骨組みです。自社の課題やゴールに合わせて項目を取捨選択してください。

画面設計にはワイヤーフレームの作成が欠かせません。UI要素の配置や画面遷移を可視化すれば、開発チームとの認識のずれを防げます。

まとめ

この記事では、企画書に必須の項目から説得力を高める書き方、予算の立て方、法的リスクへの対処法まで解説しました。

アプリ開発の企画書は、目的やターゲット、機能、予算といった要素を整理し、社内承認を得るための設計図です。

事前に現状課題と競合状況を把握し、数値データで市場の妥当性を示せば、認識齟齬や無駄な開発を防ぎながらプロジェクトをスムーズに進められるでしょう。

テンプレートも活用しつつ、読み手の立場に立ったわかりやすい構成を心がけてください。

アイスリーデザインでは、構想からUX/UI設計、開発、運用までをワンチームで伴走する「アプリケーション開発」サービスを提供しています。AIを取り入れたアプリケーション開発の実績もあり、さまざまなニーズに対応可能です。

アプリ開発をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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