2018年6月19日 UXデザイン

ユーザー調査に乗り気ではない人の、よくある言い訳

著者: Fabricio Teixeira
Design Director at Work & Co, Founder of UX Collective http://uxdesign.cc

こちらは、御本人から許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。Most common excuses for not doing user research


画像提供:Meatwreck
 
「残念ながら今回のプロジェクトでは、ユーザー調査を実施する時間がありませんでした。我々が皆、多忙を極めていたことはご存知でしょう。次回は必ず実施を検討したいと考えています。ユーザーのニーズをプロセスに反映させることの重要性は十分理解していますが、期限が迫っていたため仕方ありませんでした。次回は絶対に実現させます。」
 
誰もが一度は経験する事態です。
そこには、もっともな言い訳がつきものです。
 
そこで今回は、以下にユーザー調査を先延ばしにしようとするチームのメンバーのよくあるセリフと、それを説得するための思考法をご紹介したいと思います。
 

「すでにユーザーのことは十分理解している」

ユーザー調査とは単にユーザーを知るためのものではなく、提供される製品やサービスに対するユーザーの思考、行動、感情を把握するためのものです。多くの企業が顧客層に関して、年齢、性別、居住地など、膨大なデータを保有していますが、ユーザーの行動や製品の使用方法など、定性的かつ行動にもとづくインサイトを実際に獲得できるのはユーザー調査にほかなりません。私は長年ユーザーエクスペリエンスの分野に携わってきましたが、ユーザー調査で新たな発見が得られなかったことは1度としてありませんでした。企業側がユーザーのことを「知り過ぎてしまう」ことは決してありません。
 

「ユーザビリティ・ラボがない」

率直に申し上げると、そのようなものは必要ありません。ユーザー・インタビュー、アンケート、カードソート、ABテスト、シナリオ、ダイアリー・スタディ、インターセプト法、シャドーイングなど、ユーザビリティ・テスト以外にもユーザー調査を行う手段はいくらでも存在します。 「ユーザー調査」と聞いて、「ユーザビリティ・テスト」を連想するのはもう時代遅れなのかもしれません。仮にユーザビリティ・テストを行うとしても、同じ場所に参加者を集める必要はありません。遠隔操作によるユーザー調査は、これを実施するためのツールやソフトと足並みをそろえて、急速に普及しつつあります。
 

「調査結果に対する統計分析の方法が分からない」

堅牢でがっちりした定量分析を実施するのでなければ、調査結果の分析に数学的な専門知識は必要ありません。ユーザー調査手法のほとんどは、ユーザーに関する定性情報の収集を中心としているからです。統計ではなくインサイトを獲得することが本来の目的なのです。
 

「特定のユーザー層から参加者を募るのは困難」

決してそのようなことはありません。企業ならすでに対象とするユーザー層に、製品やサービスを提供しているはずです。例えば社内のカスタマーサービスチームに相談すれば、ユーザーへアプローチする手掛かりが得られます。また調査への参加を希望するユーザーが意外に多いのも事実です。自分たちのニーズを考慮に入れてもらえるとなれば、悪い気持ちはしないはずですし、忙しいユーザーでも積極的に参加してくれるでしょう。必要なことはただ1つ、創造力を駆使してユーザーにアプローチすることです。
 

「時間がない、予算がない」

まずは小さく始めましょう。1~2人からフランクに話を聞くような調査でも、まったく実施しないよりは遥かに効果的ですし、まとまった時間を必要としません。特定のトピックについて深く掘り下げるのであれば、同じテストを何度も繰り返すより、ターゲットを絞った調査を実施する方が極めて有効です。小規模調査の価値と投資対効果を実証できれば、次回のプロジェクトに時間と予算を割り当ててもらえるよう、ステークホルダーを説得することも可能です。
 

「ユーザー調査の実施方法が分からない」

ユーザー調査に関するオンラインガイドが数多く存在しますのでぜひ利用してください。また回数を重ねるごとに、調査に関する知識も強化されるはずです。言い訳をやめて実行に移りましょう。
 

「当社の製品はKPIをすべて満たしているため、これ以上改良の余地はない」

そのようなことはあり得ません。ではKPIを大きく上回ることを目指されてはいかがですか。もしくはKPI自体を見直し、より高度な基準を新たに検討されてはいかがでしょうか。
 
 
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