2018年6月29日

テクノロジー

プロジェクトの成否をわける3つのマインドセット

N.Ohnaga

既存の方法論ではなかなか答えの見つけられない厄介なビジネス課題に対するアプローチとして、デザイン思考が注目されています。しかし一方でデザイン思考そのものを従来のビジネスフレームワークの延長にあるひとつの技法として捉えたままプロジェクトをスタートしてしまったことで、その効果を十分に享受されていないプロジェクトも多いようです。そこで今回は、アイスリーデザインが重視しているプロジェクトの設計段階における3つのマインドセットについてご紹介したいと思います。
 

ゴールに対するマインドセット

顧客が行動するのは、企業のためではなく、自分自身の欲求を満たすためです。しかし、現実のプロジェクトでは、「どのようにすれば自社の製品を買ってもらえるか」、「自社を好きになってもらえるか」という問いを起点にプロジェクトのゴールを設定してしまいがちです。このような問いの問題は、顧客の態度や行動を変える手段の検討に終始し、顧客の欲求や願望について深く考えなくなってしまう点にあります。サービスデザインのプロジェクトの一つの醍醐味は複数の組織を顧客の視点で結びつけ、組織サイロを超えた体験の実現にあります。意識的に問いを顧客の視点に置き換え、部門を超えて協力できる所有感のあるゴールをつくることが重要です。

 

プロセスに対するマインドセット

デザイン思考のアプローチは共感・学習を重視します。不確実なものを受け入れ、五感を使って体感・理解し、いかに早く学習していくかという心構えが求められます。
 
ビジネス側の作法としてはベストな回答を求めて分析を繰り返し、組織のレポートラインに正確に報告する。ということを望まれます。
デザイン思考のアプローチでは、顧客の体験を生々しく共有し、ベターを求めてどれだけ実験を繰り返せるかという視点が大切になります。
 
もちろん、ビジネスとしてどう勝算があるかということを検討する必要はあります。一方でもうひとつ大事なのは、合理性客観性を重視するビジネス側の作法と主観、インサイトを重視するデザイン側の作法の両方を理解した上で、そこを行き来していく、という考え方です。

 

チームに対するマインドセット

一連の取り組みによって生み出されたコンセプトやアイデアが顧客のニーズや組織のゴールと合致していることはもちろんですが、最後はそのことをメンバー自身が実現したいと思えるか?という視点が非常に重要です。プロジェクトに参加する人はそれぞれに意味や目的を持っています。なぜ自分は参加するのか、自分が参加して得たい個人的な成果は何か、プロジェクトチームの編成段階で共有しておくことが大切です。メンバーが達成したいことが見えることで部門や組織を超えて本当の意味での協力が始まります。

 
アイスリーデザインではプロジェクトを具体的に始動する前に、ステークホルダー間でゴールやマインドセットを共有しながらプロジェクトの全体像を描くプロジェクトデザインセッションを提供しています。部門を超えたチームビルディング、また経営陣とプロジェクトメンバーがともに目標を共有するための場として、ぜひご活用ください。
 
 
____________

in-Pocket is presented by i3DESIGN

i3DESIGN(アイスリーデザイン)は渋谷とウクライナに拠点を構えるIT企業です。

「デザイン思考」の手法を取り入れたクライアントワークと、Google対応の自社クラウドサービス「GOMOBILE」の提供を行っています。

ビジネスの創出に必要な”右脳”であるUX/UI分野と”左脳”の開発分野が融合した組織で、サービスデザイン・UI制作・プロジェクト管理・設計・開発・品質管理・システム運用を一貫してご提供できることが、i3DESIGNの強みです。

お問い合わせはこちらから

Nobuyuki Ohnaga

N.Ohnaga

株式会社アイスリーデザイン取締役、株式会社bridge代表、サービスデザイナー。日本にペルソナを導入した先駆的企業であるmct社のコンサルタントとして人間中心イノベーション手法を活用した商品開発、サービスコンセプトの構築、イノベーション人材育成といったプロジェクトをリード。2017年1月bridge.Incを設立。多様な業種、組織の200を超えるデザインプロジェクトの実践経験をノウハウとして体系化し、スタートアップや中小企業のイノベーションを支援する。2017年8月より株式会社アイスリーデザインに役員として参画。

おすすめの記事

Recruit

アイスリーデザインでは

一緒に働くメンバーを募集しています

採用情報はこちら矢印