2022年2月28日

ビジネスストラテジー

セミナーレポート「元ソフトバンクG最年少役員・芝氏が教える!どんな企業でもイノベーションを起こせる方法とは?」

株式会社アイスリーデザインはビジネスとデザイン、テクノロジーの力で新規事業ならびにイノベーションを創出するDX支援企業です。

本記事では、2022年2月オーナー経営者のための経営課題解決型メディア「THE OWNER(ザ オーナー)」にて開催されたウェビナーの内容をお届けします。

アーカイブは無料会員登録後にご覧になれますご興味がございましたら下記リンクよりご覧ください。
https://the-owner.jp/archives/7739

 

こんな方へおすすめ!

まず記事を読んでいただく前に、このセミナーは下記内容のお悩みを持った方に向いていると思いますので、該当する方は是非この画面をスクロールしていただければと思います。

・自社のビジネスモデルをイノベーションを持って競争優位性を確立したいと真剣に思っている経営者の方
・新規事業ならびにイノベーション推進担当の経営企画ならびに担当役員の方
・デザイン思考やイノベーションを推進を担当する立場にありながら成果創出に困っている役員、担当者の方(※経営者、経営層、経営企画、新規事業担当役員、DX推進役員、該当ミッション担当課長クラス以上)

 

登壇者プロフィール

今回弊社からは、代表取締役である芝が登壇致しました。芝のプロフィールはこちらからご覧ください。


芝 陽一郎
株式会社アイスリーデザイン
代表取締役 1972年生まれ。早稲田大学修士課程修了。野村総合研究所にて金融機関むけのシステムコンサルティング業務に従事後、ソフトバンクにて海外ベンチャーキャピタルとの折衝、投資案件のデューデリを担当。当時ソフトバンクグループ会社内の最年少役員。その後、一部上場企業を対象に投資事業ポートフォリオ再編、バイアウトのアドバイザリー業務を提供、複数のIT企業の役員歴任。2006年、株式会社アイスリーデザイン(i3DESIGN)設立。学生時代からブランド品の並行輸入、インターネットの接続サービスを手がける等、ベンチャーから大手エスタブリッシュの両方の経歴を持ち、かつファイナンス実務と実業の両方をカバーする希少人材。国内以外でも、大学院時代にはロータリー財団の奨学生としてドイツBielefeld大学にて社会哲学を専攻し、アフリカでの起業、ウクライナ拠点設立など海外経験も豊富。渡航国40カ国120都市。ソフトバンクOB会幹事。著書: 『アフリカビジネス入門(東洋経済新報社)』

https://www.i3design.jp/

i3DESIGN DX支援サービスラインアップ

i3DESIGNは、Business x Design x Technologyの連携を重視し、デジタルプロダクトを開発する各フェーズに合わせたサービスコンポーネント。単体でも組み合わせでも利用できるようにモジュールとして提供しています。

Design Thinking x Design OPS x DevOPS

人に依存せず、フレームワークと仕組みで変化に対応できる、時代に合致したプロセスでサービスを提供しています。顧客に言われたものを作るというよりは、一緒に共創しながら事業支援・立ち上げをしております。

このセミナーレポートは、司会と芝によるディスカッション形式で行われたものですが、インタビュー形式での書き方ではなく、セミナーの内容を一部抜粋し弊社広報の発信として書かせていただきます。

DXが持つ課題

DX出来ていない日本企業

近年では、メディア等の打ち出しによりDXという言葉が先走りしております。
各企業の担当者は、DXという言葉の中で迷子になっている様に見受けられ、企業においても様々な手法の導入やフレームワークが使われております。しかし、言葉は知っているが、使いすぎてどれがよくわからなくなったという方の割合が7割8割いる状況であると我々は分析します。

なぜ迷子なのか?といったところで下記の資料をご覧ください。

上記資料によると、DXとデジタル化の違いの説明ができない大企業の管理職が73%もの割合を占めていることが分かります。

ここで簡単にDXとデジタル化の違いの説明をしますと、下記の通りになります。

DX・・・デジタル技術でビジネスモデルそのものを変革して新たな価値を生み出し、企業の競争力を向上することを目的としている。

デジタル化・・・現在の業務を自動化・システム化し、業務効率化や生産性の向上を目的としています。 

(参考URL: https://dx.ipa.go.jp/dx-digital )

DX推進で最も大切なことは「課題の明確化」

それでは、DX推進においての大事なことはなんでしょうか?
上記資料の左側①〜⑤のように、これらの要因が決まってないことが迷走する原因になります。まずはしっかりとこの①〜⑤を把握することが大事です。そこで課題を見つけるのです。
上記資料の右側によるとデジタル変革の実現における課題の中で、デジタルに対するビジョンと戦略不足があげられます。
日本企業は世界平均よりもビジョンと戦略の不足、時間と費用の制約を課題に上げることが多く、反対に技術的な制約、法律及び規制は少ないことが分かります。

DXを阻害する5つの現実

DXを支援している中で、我々も沢山の壁に当たりますが、特に企業においての担当者様がDXを推進しようとしていく過程においての、DXを阻害する現実として5つに纏めました。

イノベーションシンドローム・・・DX推進するにあたって、様々な外部ベンダーが入り込み、ワークショップ等を開催することで、なんとなくやれている気になっている。そして、目的が混沌としてしまっている。

非継続性・・・社内の新規事業案が策定されたが、事業戦略と合致してない場合、形にしただけで継続性がなく終わってしまう。最終的に本業とのシナジーがなく予算がつかなくなるケース。

サイロ化組織・・・アイディエーションはするものの、組織自体が機能分化していて専門性の高い人が集まってるため完全にサイロ化されている。DXに即した組織形態と合致していないことからイノベーティブなアイディアを考えろと言われても中々難しい。

計画至上主義・・・試行錯誤しながら何かをアウトプットしていく文化や慣習が組織に無い。

評価基準と組織・・・DX推進プロジェクトに関わりたくない中間管理職が多い。

イノベーションの現実

2020年。経済産業省は日本企業におけるイノベーション創出に向けた経営について環境設備に取り組んでいくことを発表しました。(参考URL:https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kodoshishin/kodoshishin.html )それを受け、各企業はイノベーションを起こそうと新規事業を展開しますが、新規事業は中々うまくいかないことが多いので、その中でも特にDX推進は登山と例えて進めていくことをおすすめします。登山のように、目的地を決めそこを目指す。道中、嵐や雪が降るかもしれない、良からぬ事故もあるかもしれない。その中でも、目指した目的地へ登り切ることが大事だと思われます。

イノベーション・エンジニアリングの基本思想

登山に地図や方位磁石等のツールが必要なように、企業におけるDX推進でイノベーションをしたい時には自分の場所を正確に把握して、然るべき場所で使うべきツールを使うことをおすすめします。その時に、デザインシンキングとロジカルシンキングを両方使い、適材適所に活用するということが肝になります。

ロジカルシンキングとデザインシンキングをハイブリッド

下記の表はロジカルシンキングとデザインシンキングを言語化した表になります。

ロジカルシンキング・・・報告、連絡、相談を論理的に、具体的に言語で伝えることがロジカルシンキング。従来の企業のやり方。

デザインシンキング・・・デザイナーがデザインをクリエイトするやり方や思考方法をビジネスに活用する方法。ロジカルシンキングに対して対極になるので、アイディアを発散する企画会議等をする時に適している。

ロジカルシンキングは物事を整理し共通理解にすることに重きが置かれ、デザインシンキングは、定義をすることではなく人によって認識の違いがあります。

その違いを互いに対話し、議論し合うことで、より考えてる思考の枠組みを理解し、壊す、そして外側に持っていくことがデザインシンキングであるため、基本的にデザインシンキングはそのような適切な場面で利用することが大事。

イノベーターは全てがデザインシンキングではない。
使い方を間違わないことが大事である。

では、登山に例えるように目的地までの、地図をどの様にして作るのでしょうか?

可視化をしていくフレームワーク

デザインシンキングには大きく二つの流派があります。

シカゴ派・・・日本企業文化や成り立ちに近しい背景がある。 そのため大企業内でイノベーションを起こしたり、既存フレームワークを活用して進めていくケースが多い。(参考URL: https://yasuhirosasaki.medium.com/%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%82%B4%E6%B4%BE%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%80%9D%E8%80%83-f0c28ffec660 )

シリコンバレー派(西海岸派)・・・プロダクトやファッションなどモノのデザインに限らず、組織のあり方や新しいビジネス、カスタマーサービスの方法など、エクスペリエンスや潜在的な力を生むための状態などを対象としたものに活用されるケースが多い。(参考URL:https://toyokeizai.net/articles/-/38084 )

これらのふたつの流派が主流になっています。

本日はこのシカゴ派に沿って良いフレームワークをご用意したのでご紹介します。

組織アセスメント

目的地までの地図を作るにあたり、「今自分たちがどこにいるのか」を上記左側の水色の7つの視点から特定し、現在の立ち位置が中長期のビジョンと事業戦略に合致しているかを測ります。

更にこの7つの視点から5段階のブレークダウンをしています。これを経営層、管理職、担当者レベルなど、組織内で横断してアンケートをとることで認識の差をアセスメントします。そして自社のイノベーションの取り組み状況を可視化をし、現状を知ることと皆で共有していくことこそが大切なポイントになります。

イノベーション・ブースト・プログラム

技術をコピーして、安く提供しているサービスでは企業の競争優位性を確立することは難しい時代です。
真にイノベーティブな企業は提供サービスだけでなく、提供サービスを取り巻く「ビジネスモデル」、「顧客体験」の観点でイノベーションを起こしています。

サービスだけでイノベーションできるわけではないので、イノベーションを考えるにはサービスに付帯したビジネスモデルや顧客体験を9つの観点からスコアリングします。そして右のマトリックスでは、それぞれの項目を5段階でスコアリングし、競合と比較することによって自社が取り組むべき課題を明確にします。

イノベーションの天才であるスティーブ・ジョブスは、アイデアが出たら大抵の経営者は9割は終わったと思う。実現するプロセスこそが、一番苦労する。そのプロセスの中でアイデアが変化しマジックが起きるのだ。

と言っています。

イノベーションを起こす上で一番大事なのは、プロセスを重要視することである。そして試行錯誤したプロセスが自分たちの居場所を明確にし、そのプロセスをいかに効率的に組み合わせることこそが成功体験に繋がると考えられます。

イノベーションを起こしている企業

ビジョンと戦略に合致しており、そしてトップもしくは事業部分の責任者がコミットしている企業は成功している。それに反してDX迷子企業の1番多くあるパターンは「手段と目的が逆になって手段が先に走ってる会社はうまくいってない傾向にあると思われる。」その中でも下記の3つを例に挙げてみた。

Amazon

各プロジェクトにおいて、最初にPRD(Product Requirements Document)を作成します。要するに、サービスは誰を対象としていて、どういった課題を解消し、なんの価値を提供するのかがということを考えリリースしていることがよく分かる。

Adobe

サブスクリプションモデルになって時価総額を伸ばしたが、プロダクト自体の機能追加だけではなく、ビジネスモデル自体や顧客の体験化が良く連携が取れている。

ソフトバンク

ソフトバンクがやっている数あるプロジェクトの中で、PayPayはイノベーションだと思いますでしょうか?出てきた当初はイノベーションだと思われてなかったと思いますが、2022年現在は国民の大半が使用するものになっていきました。ソフトバンクがやっているイノベーションや新規事業の考え方はビジョンと戦略の計画が短く、実行の回転サイクルが早いことが特徴です。実行至上主義であり、デザインシンキングについて話し、数字に基づいてとても議論する。そして目的を決めたら、常にそこに対する微修正をしている。そして、勝てないものは、すぐに辞めていくのも特徴です。

ソフトバンクのトップである孫さんは左脳と右脳を両方使うことができます。しかし、ロジカルシンキングはとても時間がかかるので、そこをソフトバンクの社長室のメンバーが代わりにやっています。孫さんは、その情報を持ってるので右脳で選択とプロセスをジャンプ出来るんです。ソフトバンクは、本能的にロジカルシンキングとデザインシンキングの両方を使い分けている企業なんです。

i3Dが考えるイノベーション

我々は、イノベーションの民主化を体現したいと考えています。シカゴ派のラリーケリー氏の言葉から引用すると、イノベーションを組織内で実行するには10人のクリエイティブなアイディアを持つ人か、10人の言われたことを確実に実行する海兵隊と、どっちがイノベーションを起こす確率が高いのはどちらだと思いますか?答えは、10人の言われたことを確実に実行する海兵隊の方がイノベーションを起こす確率が高いと言われています。つまり地図とプロセスを明確にする事によって、クリエイティブなアイディアを出すよりも試行錯誤を10回繰り広げた方がはるかに成功するということになります。

さいごに

今回のセミナーで使用した、組織アセスメントとイノベーション・ブースト・プログラムは、準備が整い次第フレームワークの公開を行いたいと思います。

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in-Pocket編集部

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