2018年5月18日 UXデザイン

デザインプロセスにおける「ズームアウト」の重要性

著者: Fabricio Teixeira
Design Director at Work & Co, Founder of UX Collective http://uxdesign.cc

こちらは、ご本人から許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。The importance of zooming out in the design process


時折、デザイナーは、自分のデザインのディテールに時間をかけすぎて、ツールを使う手を一旦止めて、作品についてさらに戦略的に考える必要があります。
 
とてもお忙しいのでしょう。
 
少なくとも自分が非常に忙しいと思いたいだけなのかもしれませんが。週の終わりに締め切りを迎える案件を数件抱えており、自分ではできるだけ早く作業を進めなければ締め切りに間に合わないことが十分に分かりきっています。
 
私たちは忙しく見えます。
 
そして忙しいとも言っています。
 
時には忙しさをでっち上げることさえあります。
 
しかし、今あなたは可能な限り賢明な方法で時間を使っていると言えるでしょうか?
それとも、もしかして、意味もなく走り回っているだけですか?
 

ズームアウトできるようにズームインする

 
私の考えでは、デザインとは特定の問題を何度もズームインしたりズームアウトしたりするというプロセスです。私が一番力を発揮できるデザインプロジェクトの進め方は、実行役 (ディテールと大いに接点のある、実際に作業に携わっているデザイナー) と、審査役 (特定のディテールへのこだわりを持たないため、より公平に判断することのできるクリエイティブディレクター) のふたつの役割のバランスを取りながら進める方法です。
 
しかし、ズームアウトするためには、ズームインする必要があります。
 
ディテールを可能な限り理解するため、要件を理解するためにズームインします。同じ問題に対する複数の解決策をテストする場合、デザインソフトウェアで長時間をかけて丁寧にピクセルごとにインターフェイスを作り込む場合や、最も細かいディテールを表すインタラクションのプロトタイプを作る場合にズームインします。
 
そして、自分のコンピューター作業の手を止めて、自分の直面している課題について周囲と話す時、デザインツールを使用する手を休めるとき、リアルユーザーでデザインのテストをする場合、または脳が新しい視点を通じて問題に取り組めるよう時間を取る時にズームアウトします。
 
ズームアウトもズームインも単独では存在することはできません。
 
一度もズームアウトすることなく、ズームインし過ぎた場合には、急場しのぎになり過ぎてしまいます。
 
ズームインすることなくズームアウトし過ぎた場合には、本来実現すべきことをまったく実現できなくなってしまうことさえあるかもしれません。
 

忙しくなるために忙しくしているという状態は、ハンバーガーと水平メニューのどちらにするのかを決めることに夢中になりすぎて、そもそもアプリにメニューを追加する必要があるのかを一旦立ち止まって考えることさえ忘れている状態なのです。
 
デザイナーにとって、問題にズームインし、集中するのは比較的たやすいことですが、ここで一番難しいのは、一旦手を休めて、新たな視点や異なる観点から自分の作り出したデザインを判断するというところにあります。
 
強制的に自分をズームアウトさせるお気に入りの方法をいくつか紹介しましょう。
 

#1 頭を無理やり休ませる

デザイナーの脳は、仕事の合間の何もしない時間を使って、自然と後回しにされていた情報を素早く処理し、最終的にこれまで集中していた問題への解決策を見つけることができます。実際には、何もしない時間はクリエイティビティーには非常に重要なのです。
 
人間の脳は、強力なマシンですが、まず、何もしない時間を取ることなくパワーを発揮させることはできません。暇さえあれば携帯電話をいじるということを止め、頭脳に、あなたをあっと言わせるようなことを考えられる時間を与えてあげましょう。
 
「人類は数千年にわたって空想にふけってきましたが、今日ではすき間時間にスマートフォンやその他のデバイスでソーシャルメディアを読んだり、Podcastを聴いたり、メールに返信したりするようになってしまい、ぼーっとする時間がほとんどありません。これは、小さな変化だと思われるかもしれませんが、実は、人類の脳の仕組みや集団的な創造性に幅広く影響を及ぼしている可能性があるのです。事実、新しく革新的なアイデアを考えつく能力を妨げている可能性もあるのです。」-出典はこちら
中には瞑想に頼る人もいます。私は過去数週間にわたってHeadspaceを使用していますが、このアプリをとても楽しんで使用しています。私の1日で最も生産性の高い時間は通勤時間なのですが、静かな通勤時間の平穏に勝るものは何もありません。
 

#2 違う視点から自分のデザインを見てみる

時には、脳をだますだけでうまくいく場合があります
 

  • デザインを印刷してみてください。デザインをモニターから紙へと移動させることで、ピクセルでいっぱいになった脳に必要な休憩をさせることができます。
  • 自分のデザインを違うモニターでテストしてみましょう。これは驚くほどシンプルなことなのですが、携帯デバイス用のデザインを携帯デバイスで確認することを忘れたり、デスクトップ用のデザインをデスクで使用している以外のモニターで見てみることを忘れたりすることがあります。
  • デザインを自宅 (または、喫茶店や、その他毎日の作業場以外の場所) で見てみましょう。問題について考える背景を変えることで、脳を刺激させ、新しい解決策を探すことができます。

 

#3 声を出してデザインをプレゼンしてみる

自分の作ったデザインを、同じプロジェクトに関わっている同僚や、誰かランダムに選んだ人など、他の人にプレゼンしてみましょう。
 
頭脳は、物事に筋が通っているかどうかにかかわらず、実際に声に出して言うことでやっとプロセスできるようになる場合があります。自分の言っていることに耳を傾けると、自分の口から出た「腑に落ち」ないことや、自分自信で完全に納得できていないことが自然と明らかになるでしょう。
 

#4 周囲に見せる

同様に、デザインを、周囲にいる同僚に見せると、長時間にわたってモニターと対面しながら作業してきた脳を休めさせることができます。同僚に自分のデスクに来てもらったり、印刷して同僚のデスクに持っていったりしましょう。彼らの最初の一言や、最初の質問をよく聞きましょう。同僚がもたらしてくれる、自分とは異なる視点を前向きに受け入れることで、このようなディスカッションから面白い見識を得ることができます。ご自分の会社の社員との非公式のユーザーテストは、実際のユーザーとのテストの代わりにはならないことをお忘れなく。
 

#5 自分のデザインコンセプトのサマリーを書き出す

デザインに関する特定の問題やソリューションの核心で詰まったような気がする場合にはいつも、テキストエディターを開き、現在着手中のデザインコンセプトの中で最も重要な側面を3つ書き出します。
 
長いリストを書きたくなる気持ちを抑えて、自分のデザインを自分の会社のCEO (や、その他、あまり時間の取れない人) に説明する場合に伝えるべき要点のトップ3に集中しましょう。
 
主なテーマとは?どのような順序でリストを挙げた?
 
このエクササイズで本当に重要なものの優先順位を付けることができ、さらには本当に重要ではない部分をデザインから取り除くこともできるのです。
 
ここでご紹介したヒントで、定期的にデザイン作業から手を止めて、より戦略的に考えられる一助になればと思います。あなたがやっていることで他の読者に役立つことは何かありますか?
 
この記事は、デザイナーという素晴らしい職業のjourneyを綴った物語の一部です。


こちらは、ご本人から許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。The importance of zooming out in the design process

 
 
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