2017年5月11日

トレンド

聖地とバザール 未来のオフィスのあり方

D4DR 代表取締役社長

このGWに私の会社で簡単なオフィスのリノベーションを行った。リノベーションするにあたってはお客さんを呼びたくなるオフィスということがひとつのテーマになったが、やはり様々なコラボレーションツールが無償でも使えてSkypeなどで簡単にオンラインミーティングができてしまうこの時代、オフィスにわざわざ来て頂くとか、一緒に働くことの意味は以前と変わってきていることは間違い無い。
 
先日も最近オフィスを移転したDMMのオフィスにお邪魔したが、チームラボプロデュースによる本物の250種類の植物が壁に飾られ、会議室エリアはプロジェクションマッピングで様々な動物のCGが動き回るオフィスはもはやテーマパークのような世界だった。オンラインでコミュニケーションできる時代だからこそ、わざわざ訪れたくなるオフィス、体験価値を共有したくなるようなオフィス、そんなオフィスがこれからますます求められるのだろう。
 

 
一方で、企業とオフィスの関係も一対一では無い。赤坂の新しいオフィスに移転したヤフーはワンフロアを丸ごとコワーキングスペースにしており、ヤフーの社員で無くても仕事ができるように開放している。今までのオフィスの常識を180度変えるような試みだ。コワーキングスペースは多様な人々が入り交じることで新しい発見や創発が生まれる効果も期待できる。単純な仕事はどこでもできる時代、敢えて人々が集う意味は新しい創造価値がそこにあることが重要なのだろう。
 
先日、ソフトバンクが3億ドル出資すると発表した米国のWeWorkというベンチャーはすでに2兆円という時価総額がついたいわゆるユニコーン企業だ。しかもその事業はコワーキングスペースを提供しているだけだから驚きだ。2010年創業ですでに世界36都市154箇所でコワーキングスペースを展開している。コワーキングスペースというとベンチャーやフリーランスの人々の利用がメインのイメージだがWeWorkは8万人のうち14%は500人以上の大企業でマッキンゼーなどの社員も利用しているそうだ。世界中に支社を作るよりもWeWorkと契約して社員が使えるようにすることの方が大企業にとってもはるかに効率的な側面が増えているということだろう。
 
これからのオフィスは顧客などもわざわざ集いたくなる求心力を持つブランド体現の場としての言わば聖地としての本社。従業員達にとってストレス無く集中するためのオフィス、高い創造性を発揮できるコワーキングも可能な街中のバザールのようなオフィスなどを使い分けながら働いていく時代になるのだろう。
 
 
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Kentaro Fujimoto

D4DR 代表取締役社長

1991年電気通信大学を卒業。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。 2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。広くITによるイノベーション,事業戦略再構築,マーケティング戦略などの分野で調査研究,コンサルティングを展開しており,様々なスタートアップベンチャーの経営にも参画し,イノベーションの実践を推進している。現在、日経MJでコラム「奔流eビジネス」,日経BIzgateで「CMO戦略企画室」を連載中。

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