2016年12月14日

トレンド

AmazonDashボタン上陸のインパクト

D4DR 代表取締役社長

ついにAmazonDashボタンが日本でもスタートした。すでに米国では226のブランドで利用されているが国内でも日用品や飲料など42のブランドでスタートした。このボタンは冷蔵庫や洗濯機などに貼っておくことで、洗剤や飲み物が切れた時にボタンを押すだけで注文できるという便利なものだ。メーカーからすると自社のブランドを愛用している顧客に買ってもらえると常に自宅から注文してもらえることになり、新しい囲い込みツールとしての期待につながる。
 
これまで日用品などは好みのブランドがあったとしてもスーパーの店頭などで新製品として大々的に新しいブランドが陳列されているとついついそちらを手に取ってしまう場合も多かっただろう。また安売りされていると違うブランドに乗り換えてしまうということもある。メーカーからすると流通の店頭で良い場所をとるために小売りに販促費を払ったり、CMを大量投下(実はCMは顧客のためだけでなく小売りの場所とりのためでもある)したりなど店頭での激しい競争に勝ち抜くためにかなりのコストをかけてきた。AmazonDashはそうした小売りの店頭での顧客のブランドスイッチを防ぐことができるという効果も期待できる可能性があるのだ。
 
 
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しかしそれはもちろんブランドとして強い顧客からのロイヤリティがあってのことでもある。その時一番安い商品を買えば良いと思っている顧客しかいなければPB商品などで十分なのでわざわざブランドを指名する必要は無い。わざわざ自宅にブランドロゴが入ったスイッチをおいてくれるだけの強い絆を作ってきたのか、まさにブランドの真価が問われるツールとも言えるだろう。逆にブランドを愛してくれて10年使い続けてくれた上得意客には特別な黄金のボタンをプレゼントなどで、顧客の心をくすぐるボタンなどもいずれ出てくるのかも知れない。
 
 
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(Amazon公式サイトより)
 
 
アマゾンからするとDashボタンにより消耗品の定期購買率があがることになり、物流の予測もたてやすくなるだろう。またサブスクリプション型で「年間契約20回の値段で24回まで押せます!」などの新しい売り方なども登場するかも知れない。今後は生鮮食品や外食の宅配など活用ジャンルも広がる可能性も秘めている。さらに商品を利用する時に押すとポイントが貯まるような仕掛けを作ると、いつ顧客が商品を使っているかという購買データだけではない、利用状況データまでもアマゾンが取得できるようになる可能性がある。ますますアマゾンの強さを加速させそうなボタンが上陸したのだ。
 
 

D4DR 代表取締役社長

Kentaro Fujimoto

1991年電気通信大学を卒業。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。 2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。広くITによるイノベーション,事業戦略再構築,マーケティング戦略などの分野で調査研究,コンサルティングを展開しており,様々なスタートアップベンチャーの経営にも参画し,イノベーションの実践を推進している。現在、日経MJでコラム「奔流eビジネス」,日経BIzgateで「CMO戦略企画室」を連載中。

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