2016年8月15日

トレンド

不動産価値のダイナミック化を証明したポケモンGO

D4DR 代表取締役社長

ポケモンGOが爆発的な話題になり、様々な周辺への経済効果も話題になっている。中でもマクドナルドは7/22という後半にサービスがスタートしたにも関わらず、7月の既存店売上高を前年同月比26.6%も押し上げるという驚異的な効果を出した。
 
実はマクドナルドとポケモンのつき合いは古い。2009年に当時無料Wi-fiスポットの提供を開始すると同時に「マックでDS」というDSをマクドナルドに持っていくとポケモンがゲットできるというサービスを提供していた。

実はこのサービスの時にわざわざポケモンをゲットするためにマクドナルドに行く人が現れたという効果がこの時から検証されていたのだ。ちなみに日本で成功したこのモデルは後に海外のマクドナルドでも一部実施されることにもなった。
 
位置ゲームもガラケーの頃から「コロニーな生活」や「ケータイ国盗り合戦」などの人気ゲームのためにわざわざ地方に行く人達が登場し、リアルな場所の価値をオンライン上の世界であるサイバースペースの価値によって高めることができることはすでにわかっていた。

 
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しかし、今回のポケモンGOのインパクトはそうした人々の行動を世界中の億単位の大きさで動かせることまでも証明してしまった。ゲーム上のパラメーターやルールをひとつ変えるだけで人々を誰も行かなかったような場所にまでも動かすことができるのだ。
 
リアルな場所の価値とは別にサイバースペース上の位置座標が価値を持つ時代はリアルな場所の権利がどこまでサイバースペース上に及ぶのか難しい判断もある。すでに一部の場所がポケモンGO禁止などを発表しているが、私有地や立ち入り禁止の場所でも無い限り拘束力は無い。

ポケストップは申請で削除できるようになっているが、このあたりの判断は運営会社など位置情報を活用したプラットフォーマーのポリシーに委ねられている。サイバースペースの座標でひどくネガティブなイメージを作られたとしても,それが具体的にどこまで人々の行動に影響を与えるかがわからなければ業務妨害で訴えることも難しいだろう。
 
逆にリアルな価値が低い場所でもサイバースペースの価値で高めることもできる。人通りの少ないお店でも人を誘導することができるのであれば、現在の人通りや駅からの距離などによって決められている不動産価格の価値はとても流動的なものになる可能性もある。

特定の位置サービスに加入している人にだけ価値のある辺鄙な建物などもこれからは出てくるのかも知れない。ポケモンGOのもうひとつのインパクトは土地の価値をダイナミックに変動できることを証明したことでもあるのだ。
 
 

D4DR 代表取締役社長

Kentaro Fujimoto

1991年電気通信大学を卒業。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。 2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。広くITによるイノベーション,事業戦略再構築,マーケティング戦略などの分野で調査研究,コンサルティングを展開しており,様々なスタートアップベンチャーの経営にも参画し,イノベーションの実践を推進している。現在、日経MJでコラム「奔流eビジネス」,日経BIzgateで「CMO戦略企画室」を連載中。

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