こんにちは!広報の横山です。先日の7月13日に行われたSORACOM Conference "Discovery"、イベントレポートの後編をお届けします。
▼前編はこちら▼
目次
SORACOMのグローバル展開
ソラコムのサービスを使うことで「可能」となったグローバル展開についてのお話です。意外にも身近な「もの」がIoT化されているんだなと感じました。
ゲストスピーカー
オプテックス株式会社
取締役 兼)執行役員 事業戦略統括本部長
上村 透 氏
株式会社小森コーポレーション
取締役 兼 執行役員 経営企画室長 梶田 英治 氏
株式会社ソラコム
最高技術責任者 安川 健太 氏
オプテックス株式会社とは?
自動ドアのセンサー「赤外線センサー」を世界で初めて作った会社です。コンビニの自動ドアセンサーや、人数カウントシステムは日本でのシェアが約8割ほど。売上の7割が海外で、中東の王様の家とかテムズ川にも付いているそう。
IoTをはじめた理由
監視カメラ市場が世界規模に拡大する中、人の往来すべての撮影データを閲覧することはできないので、「スマートデータにして監視する」というサービスを行う事に。(実際に、センサー+カメラ確認の会社がイギリスにあります。)
ずっと見ていることはできないので、人が来たときだけ反応し、そのときだけモニタリングしています。事件が起きた時は、監視センターの人が警察をよび、警察犬を走らせる。なんと!!月5人を逮捕することができるそう。
ソラコムを使って解決されたこと
普段使っていない別荘など、ネットワークがなかったが、ソラコムを使うようになって、自社でネットワークの契約をしなくてよくなり、さらにクラウドにつなぐところまでは何もしなくて良いので、ネットワーク分野の付帯業務がなくなり、「売ること」に専念できるようになった。
株式会社小森コーポレーションとは?
印刷機械、印刷関連機器の製造販売を行っています。日本の紙幣は全て小森コーポレーションの印刷機で刷られているそうです。(知らなかった!!)
IoTを始めた理由
印刷機械は、1日の6割は準備作業や停止時間(稼働率33%)。稼働率が低い理由としてあげられるのは「大量のデータがスムーズに流れていない」こと。
あまりの稼働率の低さを解決するためにIoTをはじめた。
具体的な施作は...
・IoT技術によって機器のデータを見える化
リアルタイムな状況把握ができるようになった。
・現場の情報を収集分析することで見える化、共有化
属人的だった職人技術を、見える化することで、高効率・高品質の製造プロセスを実現することができるようになった。
ソラコムを使って解決されたこと
・印刷工場のネットワーク・セキュリティ環境は設備されていない場所でも使える
・これまでは印刷機にネットワークを直接つないだ場合のデータ漏えいリスクを考慮する必要があったがセキュリティ面でも安心して使えるようになった
・他社モバイルサービスは高額のため導入に踏み切れなかったが、ソラコムは低価格であったらめ対応しやすかった
展示ブースの様子
つながる暮らし スマートライフ
次は、生活に密着しているIoTの商品を取り扱うスタートアップ3社のトークセッションです。生活が便利に楽しくなるIoTを紹介します。
ゲストスピーカー
株式会社Z-Works
代表取締役社長 小川 誠 氏
株式会社otta
代表取締役社長 山本 文和 氏
株式会社チカク
共同創業者兼代表取締役 梶原 健司 氏
モデレーター
アイレット株式会社 cloudpack
執行役員 エバンジェリスト 後藤 和貴 氏
3社の会社概要と主力製品
株式会社Zworks(ジーワークス)
介護、生活を支援するをテーマにクラウド型のIoTプラットフォームを提供している2015年4月に設立されたスタートアップ。
サービスを始めたきっかけ
現状、介護業界は離職者数400万人にものぼるため人材確保がとても難しい。この人材不足をIoTで解決する必要があると感じ、本サービスを始める。
主力製品
1. 自宅見守りIoTシステム「LiveConnect」
・鍵の閉め忘れ:施錠センサーとGPSにより、鍵の閉め忘れがあった場合にスマホに通知してくれる
・熱中症予防:温度センサーや人感センサーにより、温度が上がりすぎている場合にスマホに通知してくれる
など。他にもセンサーを組み合わせて、鍵の開閉ややかんの吹きこぼれ防止などにも役立てることができる。
2. がんばらない介護
・危篤防止:心拍計センサーによって、心拍や呼吸、体の動きを取得
・徘徊防止:モーションセンサーを建物の各所に配置し、徘徊防止
・自宅見守りIoTシステム「LiveConnect」
株式会社otta(オッタ)
みんなで見守る、安心して笑顔で暮らせる世界をつくるをテーマにスマホを使った防犯サービスを提供する2014年10月に設立されたスタートアップ。
サービスを始めたきっかけ
高齢者や子供など見守り対象が増えているのに、見守る側が共働きなどで身もれない環境にある。また、若い人が見守る側に簡単に入れること、コスト削減、維持しやすいことを意識してこのサービスを始める。
主力製品
otta.b / otta App
・otta.b端末を子供に持ち歩いてもらうことでどこにいるのかを把握することができる
・otta Appで管理、見守りを行う
・いつ、どこにいたのか記録も可能
・otta Appを持っている皆のネットワークを使って「ソーシャル検索」することが可能。
otta b(端末)
株式会社チカク
距離も時間も超えて、家族を近くすることをテーマに実家のテレビに動画を送ることができるサービスを提供する2014年3月に設立されたスタートアップ
課題
核家族化が30年以上すすんでいる、家族の中でリテラシーが低い人がいる...その状況の中で
テクノロジーの力で年代を超えて仲良くできる方法はなんだろうか?時代に沿った家族のかたちがあるのでは?と思ったのがきっかけでこのサービスを始める。
主力製品
まごチャンネル
・親のスマホで撮影した子供の動画や写真をおじいちゃんやおばあちゃんの家のテレビで簡単見ることができる。
・テレビにつなげるだけの簡単セットアップ
・通信回線内蔵のため、インターネット回線がない環境でも使える
・まごチャンネル
モデレーターの後藤氏からの質問が。IoTスタートアップならではの苦労話や課題を聞くことができました。
IoTデバイスならではの課題は?
梶原氏:当たり前なんですが、物を扱うので、在庫どうするの?とか、
キャッシュフローのマネージメントをきちんと押さえておかないといけないですよね。
山本氏:デザイン(UI)の話ですね。スムホファーストで考えていたのに、まだまだガラケーを持っている方が多かったので実際にガラケーに対応しました。ガラケーとスマホと情報に差があるというのが今後の課題です。
小川氏:日本は、ものづくりの文化で「サービス」に対してはお金を払う文化はないから、ものがないとお金を払わないんですね。ものがないというハードルは結構高いです。
IoTベンチャーならではの苦労は?
梶原氏:人をどうやって集めるか、ですね。優秀なエンジニアさんは大きな会社さんに多くいるので、突然「スタートアップでこういうのやろう!」ということについてきてくれる人がなかなかいません。
山本氏:デザインとスペックの両立がやっぱり難しいです。さらにそれを追求しながらもお客様にとって手にしやすい価格帯にするというのが苦労しているところですね。
小川氏:製品を作ってくれる工場の方が納得するだけの数を発注できない、だから思いをじっくり話して共感してもらうようにしています。
後藤氏:国内と海外、どちらの工場にもお願いしている?
小川氏:そうですね、どちらにもお願いしています。国内は言わなくてもいいものをつくろうとしてくれる。海外だと、いったことしかやってくれない。ここはとても苦労していますね。
SORACOM UGの様子
まとめ
グローバル展開と言う話ではありましたが、とても身近なものがIoT化されていて、遠いようで意外と身近なものなんだと再認識しました。特に、セッション中に見せてもらったイギリスの監視カメラの映像はまさに映画のような映像でした。なかなか日本では見られない光景でしたが、こういうところでもIoTがとても役立っていんだという事を改めて感じ、何だか嬉しくなりました。