2016年5月30日 ビジネス

世界最大市場「中国」での成功には不可欠。中国最大のSNS「Weibo」「WeChat」公式アカウントを取得すべき理由と注意点

インバウンド、爆買い…。その関連ニュースを観ない日はないと言っても過言ではないほど、中国人の来日は年々増加しています。そんな中、今注目を集めているのが、中国最大のSNSである「Weibo」と「WeChat」の公式アカウントを使ったプロモーション。

それらが一体どんなSNSなのか、そしてどのように活用をすべきなのかを、弊社の代表芝とは8年来の友人でもある、両SNSの日本企業向けアカウント開設と運用を行う公式代理店 FJ Soulutions株式会社 代表取締役社長 井上 勉さんに伺いました。

 
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FJ Soulutions株式会社
代表取締役社長
井上 勉さん


 

中国相手の「日本」ブランドの過信は禁物

ネット閲覧規制を考慮すれば、中国のSNS利用は必然

 
――FJ Solutions株式会社のこれまでの概略を教えていただけますか?

はじめは2010年の12月にFindJapanという会社を立ち上げ、中国版Twitterとも言われるWeiboとパートナー契約を締結し、日本国内の公式アカウントの発行窓口を業務とするようになりました。その後、2012年5月にFJ SolutionsとしてWeibo公式アカウント発行業務をメインに分社化。2016年4月からは中国版LINEとも言えるWeChatの公式アカウントを利用したプロモーション業務を始め、今後はWeiboとWeChat両面での事業を展開してくことを考えています。

――ずっと中国のマーケットをターゲットとしたSNSプロモーションを行ってきたわけですね。

私はFindJapan立ち上げまでは、日本の商品を海外に向けて販売するサービスに携わっていたのですが、売れる商品は中古車を筆頭にすでにブランディングされた大企業の製品ばかりだったんです。それ以外の無名の商品は問い合わせすらも入らない有様。そこで日本製品を海外にアウトバウンドで販売するのではなく、特に中国から訪日者に対してのインバウンド需要のブランディングやマーケティングの重要性を痛感し、その手段として注目したのがWeiboとWeChatでした。
 
Weibo
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WeChat
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――ブランディングの手段としての中国独自のSNSだったんですね。

はい。我々がこの事業をスタートさせたときは、ほとんどの企業が自分のサイトに“中文”というボタンをつけて「これで中国の人たちに見てもらえるんだ」と思っていた頃でした。中国ではインターネットの規制があって、そもそも海外のサイトを十分に閲覧できないことをみんな知らなかったんです。

 
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11億人もの会員を誇る、中国最大SNS

WeiboとWeChatってどんなSNS?

 
――WeiboとWeChatそれぞれの規模感を教えていただけますか?

会員数はWeiboが5億4千万で、WeChatが11億2千万。アクティブユーザーはWeiboが月間2億6千万、WeChatが月間約7億と、ものすごい規模になっています。

――中国版Twitterとも言われるオープンなSNSであるWeiboと、中国版LINEとも言われるクローズドなWeChat。企業としてそれぞれの使い分けはどのようにすべきなのでしょうか?

中国の人でも誰もが知っているような日本企業であれば、自然と口コミで広まっていきますし、広告の効果も期待できるので、いきなりWeChatで良いと思います。逆に言えば、大半の中国では無名な企業の場合、クローズドなSNSであるWeChatで広告を出してもフォローはしてもらえない可能性が高いです。ですので、基本的にはオープンなSNSであるWeiboでまずは情報を広めて知名度を高め、コアなファンをWeChatで会員化するという流れを踏むべきだと思います。

 
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わずか3日間で4,000人もの来客!

“公式アカウント”で出来ることとは?

 
――WeiboとWeChat両方を使っての事例を教えていただけますか?

とある家電量販店さんはWeiboの公式アカウントを使い、クーポンを1週間配布したところ、クーポン利用開始日から3日間で4,000人もの来店があり、大成功となりました。そこで今は中国語でのアフターフォローを含んだWeChat公式アカウントを作り、店舗にQRコードを設置して、その来客者たちの囲い込みを図っているという事例がありますね。

――Weibo公式アカウントのメリットとはなんですか?

広告が出せる、アナリティクス機能があるといった点も強いのですが、最も大きいのは「信用」を得られるということです。認証マークが無かった頃、キヤノンのニセモノのアカウントが500個くらいあったんです。今となっては認証マークが付いていない企業アカウントは誰にも信用されず、むしろブランド価値が下がると言っても過言ではありませんね。非認証で企業アカウントを始めるくらいならやらない方が良いと言ってもおかしくありません。

――ではWeChat公式アカウントのメリットはどんなものがあるのでしょうか?

簡単に言うと、「情報発信の表現力」が大きく異なります。WeChatの基本はチャット機能とタイムライン投稿なのですが、公式アカウントの場合はサイトページのようなリッチコンテンツを作って、ユーザーにプッシュ通知することが可能です。さらに公式アカウントであれば、広告サービスを利用することもできるので、的確なターゲットに対して幅広く情報を配信することも可能です。

インバウンドに力を入れている企業は早い段階から公式アカウントを取得しています。しかし、そのほとんどが代理申請という形でアカウントを取得されています。

――「代理申請」というのは?

WeChatの公式アカウントは、今まで中国企業じゃないと申請できなかったんです。つまりWeChat上で表示されるニックネームが日本企業のものだとしても、認証されている会社名自体はまったく関係のない中国企業になっているというわけです。ここに大きな問題があります。

――どのような問題があるんですか?

どこまでいっても自社の公式アカウントとはなり得ないので、リスクの部分についてはご想像にお任せします。何よりも他人名義のため、広告サービスを利用するための要件を満たすためには大きなハードルがあります。我々の提案は公式アカウントを作ることが目的ではなく、広告サービスを利用し、インバウンド集客やリピーター化の支援をおこなうことが目的です。

――なるほど。FJ Solutionsさんを通せば日本企業が公式アカウントで広告サービスを利用できるのでしょうか?

はい、我々はWeChat運営会社のテンセントの広告パートナーとして、WeChatへ広告を出稿するサービスを提供しています。そのために、お客様の公式アカウントを用意しています。

――どのようにしてFJ Solutionsさんは広告のパートナー契約を結ぶことができたのでしょうか?

単純に、できるようにしてくれとお願いしに行ったということです(笑)これから日本企業にとって、中国人の消費は無視することはできません。その日本企業が中国人へPRするためには、11億の会員を持つWeChatは外せませんから。

 
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爆買いされている商品にWeChatは不可欠

“集客とリピート”を意識したSNS利用を

 
――本日お話を伺ってWeChatの可能性を強く感じました。特に向いている企業様はどういったところでしょうか?

正直なところ、あらゆる企業様でですね。例えばですが、健康食品、ドラッグストア、家電量販店、アパレル、飲食店、ホテルなど。今、爆買いされている商品はパッケージにWeChat用のQRコードを印字し、逐一最新情報や中国で買えるお店の案内をするなど、すべきだと思います。

――インバウンドのお客さんを効果的につかむべきということですね。

収益を上げるには単純に集客かリピートかしかないわけです。今はインバウンドで集客が伸びていますが、為替の影響もありやや陰りがある。となるとリピートがさらに重要になりますよね。そのためにはWeChatでの会員化は今後、必須と言えるのではないでしょうか。

――最後にFJ Solutionsさんとしての今後の展望を教えてください。

今はWeiboやWeChatというSNSでの展開が中心となっていますが、今後中国現地でイベントを開く、向こうでテレビCMを打ちたいなどのあらゆるニーズが生まれていくと思っています。ですので大げさなようですが、日本国内でいう電通のような、中国に向けて広告をうつならFJ Solutionsだと言われるような事業体に持って行きたいと思っています。

――井上さん、ありがとうございました!

第一声からとても明るく、笑顔で迎えてくれた井上さん。インタビュアーの私たちの心をがっちりつかんだ魅力的なお話をしてくれました。過去の経験からの苦労があっての、“今”ということがよく伝わってきました。WeChatの広告のパートナー契約を得られたのもこの強い思いがテンセント社にも伝わったのではないかと思います。今後、中国現地でのさらなる活躍を期待しながら、我々も数年後の日本のインバウンドマーケティングを意識していかなければと改めて感じました。

また、今回のインタビューが皆様のお仕事のご参考になればと思います。来月のインタビューもご期待ください。
 
 

in-Pocket編集部

i3DESIGN

Techベンチャーのi3DESIGNが本メディアのために結成した編集チーム。広告代理店出身の元ライターはじめデザイナーやエンジニア、リサーチャーなど個性的なメンバーが、今一番ポケットにしのばせたいトピックをお届けします。

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