先日(2016年3月12日)開催したイベントJAWS DAYS 2016の参加レポート後編です!後編は、ソラコム玉川さんのIoTのお話とハンズラボ長谷川さんのIT酒場放浪記をご紹介します。
「JAWSってなあに?」という方(もちろん横山もその一人でした!)は前編をcheck!
▼前編はこちら▼
センターステージでは、SORACOM(ソラコム)の玉川さんの話が始まってます!慌てて席に着席!
目次
IoTプラットフォーム「SORACOM」最新動向
AWSクラウドの上に構築されたIoTプラットフォーム、それが「SORACOM」です。代表は、元AWSエンバンジェリストの玉川さん。
AWSを卒業した玉川さんが作ったスタートアップの会社は、どんなことをされているのかというと、IoTに必要な通信(SIM)を格安で提供しているのだそう。
とさらりと書きましたが、
IoTって何?
今までモノ単品で動いていたものに通信機能(インターネットに繋げる)をつけてデータを集めて分析すること。(※「データを分析すること」までが、IoTというところがポイントです。)
そこでSORACOMは、IoTを作るために必要な通信機能の部分に低価格のSIM(SORACOME Air)を採用して皆が使えるようにしたんですね。
さてここから先は、「横山なりに勉強になったこと」と「これはすごい!」と思った玉川さんのお話を紹介します!イベント当日は正直、結構難しくて話についていけなかったところもありました...が!このレポートを書くためにもう一度、「IoTとSORACOM」を調べました。
玉川さんが使用したスライドがスライドシェアにアップされていたので、ぜひご覧ください。
「スタートアップやベンチャーがどうやって通信を提供しているのか?」(スライド8P)
大手キャリアは基地局をたくさん持っているけど、スタートアップってどうやって通信を提供するの?
実は、NTTドコモさんの基地局を借りて、専用線を引いて、AWSを使ってソフトウェアで実装したバーチャルキャリアを作っているのだとか(いわゆるMVNO)。
当日はここまで理解することができず、帰ってから調べました...。
こういったビジネスモデルはヨーロッパではかなり進んでいるらしいです。
ただ、SORACOMのように、基地局を借りたうえでAWSを使ってフルで実装しているところは少ないんだそう。
「IoTは、総合格闘技みたいで、デバイス、クラウド、インテグレーションが必要」
IoTをやりたい!という会社は多いけど、玉川さんが言うように「デバイス、クラウド、インテグレーション」がないとIoTをやることはできない。SORACOMの登場により、IoTを作る、提供することは、とても身近になりました。
ここでは、実際にSORACOMを使ったIoTサービスをご紹介します。
■在宅患者の安否確認システム
在宅医療患者が、災害時にデバイスを持って逃げれば、位置情報で患者の安否確認ができるもの
■パルコの監視カメラ
顔画像を見て、性別と年代を客層分析ができるもの(テキストデータをクラウドに送って客層分析ができる)
■1ヶ月間だけの臨時店舗でも、ポスレジが使える
■訪日旅行者向けの7日間だけ使えるSIM
■遠隔地からデバイスを使って、鍵を開けることができる鍵ロボット
昔、家の前で鍵をごそごそ探していた横山は、自分が帰ってきたら家の数十メートル前から鍵が空いたらいいのにと思っていました。玉川さんの発表を聞いて、ついにその時代がきたんだ!と一人テンションが上がっていました。
もう一点、すごい!と感じたのは、B2B、B2Cの分け隔てなく使えるというところ。世の中が進んでいることはわかっていたけど、社会的な手助けに直結するサービスなんだ!いうと実感がありました。
さてさて次は、実は1番楽しみにしていたハンズラボ長谷川さんの「IT酒場放浪記」のトークセッションです!
長谷川秀樹のIT酒場放浪記 SI不要論編〜「SIerの余命は5年」は本当なのか〜
今回のトークセッションでは、ITProで「木村岳史の極論暴論」を連載している日経BPの木村さんとハンズラボCEOの長谷川さんを筆頭に、各SIerの責任者の皆さんが熱く語っていました。
飲みながら、始まったこのトークセッション。
「飲んでるといいはなしになるじゃないですか?ねえ。」
「日経BPの木村さんの暴言、見たことある人ー?!」
と、長谷川さんのノリノリな関西弁で始まりました。
始終、笑いが巻き起こっていたこのブース。とにかくパワフル感に圧倒されながら40分、しっかり聞いてきました。(皆様にもぜひ生で見て欲しい!)
ここでは、横山が気になった「名言」をピックアップしてご紹介します!
トークセッション名にもなっている「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」ってなぁに?
ハンズラボCEOの長谷川秀樹さんが、「エンタープライズ系エンジニアが元気に働ける方法」を見つけるべく、IT業界に携わるさまざまな人とお酒を飲みながら、熱く語る対談形式のブログです。
長谷川さんのブログの詳細はこちら!
https://www.hands-lab.com/contents/category/it-sakaba
モデレーター:長谷川 秀樹さん (ハンズラボ株式会社)
パネラー:
木村岳史さん (株式会社 日経BP)
大石 良さん (株式会社サーバーワークス)
小野 和俊さん (セゾン情報システムズ)
牧野 了一さん (某コンサル系SIer)
なぜ、「SIerの余命は5年」なのか?
1年前に、日経BPの木村さんから発信された「なぜ、SIerの余命が5年なのか?」というテーマ。
今は、団塊の世代が沢山お金を使っているから経済が回っている
→でも2020年は団塊世代は後期高齢者になる
→すると、今のように経済が回らなくなる
→海外にも市場を広げるためにデジタルイノベーション化をもっと進めないといけない。
この事実に事業会社の経営者たちはすでに気づいていて、「デジタルやIT使ってもっと違う何かやれ!」と叫ばれるようになっているようです。
そうなると、下請け会社は従来の開発業務以外のものを求められるようになって、2020年には「この部分だけ作りますよー」というような、時代にマッチしていないSIerは仕事がなくなってしまうのでは?と言うお話でした。
(横山はそう解釈しました。。まちがってたらご連絡ください!)
気になる名言その1
「今、SIerの意識改革が始まっています」by 小野さん
これは木村さんの「そもそも大手SIerは、コードなんて書かないでしょ?」という痛烈な言葉を受けてのもの。
実は小野さん社内ではお前まだコード書いてるのか?って怒られるという噂を聞いて、とてもショックを受けていたそう。
でもある時、中島さとしさん著『ソフトウェアの仕様書は料理のレシピに似ている』に感銘を受けたのだとか。鍋を降ったことない人はレシピを作ることができない。ソフトウェアも同じでコードかけない奴が美しい設計書なんてかけるわけないだろ、と。
だいたいコードかけない人がレベルが高い設計を作って破綻する。といった危機感が少しずつ出始めていて、そういう意味で、意識改革が始まっているようです。
確かにこれわかるな~。と思いながら聞いていた横山。やっぱり現場の事情が分かっていた方が仕切れるし...。エンジニアと料理は似ているのかもしれないですね。両者とも、効率よく、0からものを生み出すものだなあと思います。
そういえば、以前うちのエンジニアのJonasも「プログラミングの勉強方法の違い」を「料理方法の違い」に例えて教えてくれたことがあります。
「自分で勉強したり、専門学校に行ってプログラミングを勉強するのは、料理に例えるとレシピを見てしか料理が作れないことと同じ。大学でプログラミングを勉強する人は、レシピがなくても料理が作れる人」と教えてくれました。プログラミングを勉強するのは大学がオススメという例えらしいです。(自分で勉強したり、専門学校に行く人のゴールは、Javaでプログラムすること。大学で勉強する人のゴールは、PCの世界を知ること。ということをJonasの大学の先生は言いたかったらしいです)
気になる名言その2
「エンジニアも同じで、小さい会社の方が育つんじゃない?」by 長谷川さん
大手SIerは、大きな仕事が多いから若手に案件を任せられず、プロジェクトマネージャーが育たない!この話で盛り上がっている時の長谷川さんの一言です。
規模の大きな料理店にいくのと、町の小さな洋食屋行ったのと、どっちが5年後に人は育つだろうか?
小さな洋食屋であれば、皿洗いから、レシピの考案まですぐに覚えることができる。でも、規模の大きな料理店にいけば、長いこと皿洗いをさせられる。そこで出たのが、「エンジニアも同じで、小さい会社の方が育つんじゃない?」でした。
実際、私も大きな会社にいた時は、会社の一部しかわかっておらず、自分の会社全体が見えないなぁと新卒ながらに思っていたことがありました。今の会社に入社してからまさに、テスター・デザイナー・ディレクター・広報と5年で色んな立場に変わりました。プロジェクトの下流工程のテスターから始めて、ディレクター・デザイナーと上流工程を経験して…プロジェクトの全体が見えた時、仕事がものすごく楽しくなりました。
気になる名言その3
「日本ってプロ経営者はいない。下から上がって、最後社長になる」by 長谷川さん
上記の「PMが育たない!」という話で盛り上がっている時のさらなる長谷川さんの一言。
「アメリカと同じでやりかたで、社長は社長しかやらない、PMはPMしかやらない方がプロが増えるんじゃないの?」と。
コード書けない人は設計できないという話も激しくうなずいていた横山ですが、そこはプロに任せようよ、というのもわかります。
うちのテストエンジニア Natashaから聞いた話ですが、ITの会社がたくさんあるウクライナでは、Webデザイナーはコーディングはしないそうです。もちろんコーダーもデザインはしない。日本のWebデザイナーは、どうしてデザインもコーディングも両方やるのだろう?と不思議だと思ったそうです。
名言その1とも重なりますが、横山個人としてはデザイナーはコーディングを理解していなければ良質なものはできないし、コーダーもデザインを理解していないと良質なものはできないんだろうなと現場で感じています。(あ、でもデザインしか作らないプロのWebデザイナーは、コーディングや組込部分までを理解した上でデザインしますね、きっと。)
気になる名言その4
「些細なカスタマイズは業界の悪習(趣味直し)」by 小野さん
「趣味直しと言って、書いている人の気持ちを消耗させる」by 木村さん
小野さんはセゾン情報システムズに入る前のプロダクトを制作する会社にいたそうなんですが、当時は、プロダクトのオーダーメイドといったら、最高級なものだから、オーダメイドっていいよな〜と思ってたらしいんです。ところがIT業界に入って、「オーダーメイド」=「些細なカスタマイズ」という現実にショックを受けたのだとか。
「そこはやっぱり青がいいかな」とか「それ、もうちょっと上で」とか競争力には全く関係ない、好みレベルの修正依頼。これを、「些細なカスタマイズ」と呼んでいるみたいです。木村さんの業界でも同じ現象があるそうで、これは「趣味直し」と言っているそう。
最後にツボにハマる名言を聞かせてもらいました。「特に修正はないけど、意見言ってもいいんだったら、じゃあ色変えてもらおうかな〜」という些細なカスタマイズをしたくなる人も多いんだろうなと思います。笑
----「かんぱーい」で始まって、最終的にやっぱり濃〜い話になっていました。長谷川さんのモデレートの上手さに感激!会場の雰囲気作りも
上手!広報の横山は、参考になることがたくさんありました。
最後は、懇親会<!!!
懇親会の様子を少しだけ、お伝えします。
会場には、AWS愛のあるLT発表者&盛り上げ上手なLT発表者がいっぱい!その中から、「これはやばい!(すごい!)」と感じた、LT発表者の方を紹介します!
会場から「メガネー!」と呼ばれていたのは大串肇さん。
会社名が本当にmgn(エムジーエヌ)でした。
ボッチ(ひとりぼっち)を救うIoTソリューションメガネウェアラブルサービス、Bocue3(ぼっキューさん)について話してくれました。
ハッカソンならぬ、アイデアソンというイベントで、ランダムに並べられた言葉が書かれたカードの中から、無作為に選んだ二つの言葉を掛け合わせてあったらいいなというサービスのアイデアをみんなで考えるらしいです。
で、大串さんのチームが選んだ言葉は「ぼっち」と「責任感」。
チームで相談の結果、メガネをかけると「この人は30分、ひとりぼっち」とか「この人はほっといて欲しい」とかわかると言う、一人ぼっちに「キュー」を出す「Bocue3(ぼっキューさん)」を思いついたらしいです。
話によれば、「Google VISION APIと、Amazon Kinesis、Amazon DynamoDB、Machine Learning、SORACOM Airを使用すると、このBocue3のサービスができる」、らしい...
ごめんなさい!横山はこれがどうして動くのかその場では全くわかりませんでした。
ただ!このLTが面白かったので、この仕組みについて一つずつちゃんと調べてみようと思いました。そして今、これを一つずつ調べて、読み解いているところです...
最後に、ヤングマンの曲に合わせて「J・A・W・S」で踊って終了!あまりのクオリティーの高さに驚きの連続でした。
まとめ
100名以上のスタッフと1000名以上のお客さんが集結しているJAWS DAYS。いや、もうこれは一種のエンターテイメントですね。本当に。今回、イベントに参加してみて素晴らしい!と思った点をまとめてみました。
★祭感、エンターテイメント感、ライブ感がすごい。
★AWSがわからなくても、みんなが楽しめる!
★IT業界の最新の質の高い情報が聞ける!
★イベントの作り方が上手!コンテンツ作りについて学ぶことが多い!(一つ一つのコンテンツがしっかりしており、コンセプトが明確)
★人とのふれあい、リアルな体験が楽しい。
AWS-UGの今後のイベント情報はこちらCheck!
http://jaws-ug.jp/es/
最後のおまけ
会場で、1つしか目がない「るのんちゃん」に会いました。JAWSのサメのキャラクターと同じ1つ目でした。私もサメに喰われているコスプレでもしてくればよかったです。来年はJAWSな格好で絶対いこ。