日本国内ではアクティブユーザーの減少により「Facebook離れ」といわれることもありますが、アメリカではまだまだ好調のようです。
米調査会社eMarketerによると、今年(2016年)に入ってアメリカでのFacebook利用者は全人口の50%を突破し、49%にとどまっていた2015年よりも上昇しているとのこと。そして、この増加の流れは2020年まで続くと予測されています。
本記事では勢い衰えないFacebookを中心に、北米におけるソーシャルネットワーク市場の動向をeMarketerの調査よりレポートします。
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利用者はモバイルが圧倒的。その増加の波は2020年まで続く!?
さて、Facebookユーザーのなかでも特に注目すべきはモバイルユーザー数。eMarketerでは上記の数字に加え、今年2016年はモバイルユーザーの52.9%が月一度Facebookにログインすると予測しています。またアメリカのFacebookユーザーのおよそ86.0%がモバイルからアクセスしており、この数値は2019年には91%にまで伸びるといわれています。
これによって、存在感を増すのはFacebook広告。今年Facebookは、アメリカのSNS広告市場のおよそ70%にあたる98兆ドルを獲得するだろうとのことです。ちなみに、現在Facebook広告収益はモバイル広告収益全体の19%を占めています。いずれにしても莫大な数値であり、アメリカにおいてFacebookモバイルユーザーやモバイル広告の勢いは今後も続くと考えられます。
日本では絶好調、北米では大苦戦のTwitter。
ほかのSNSはどうでしょう?
モバイルユーザー数はFacebookも伸び続けているものの、いまだ不動の一位にいるのはTwitter。最近、Twitterは日本国内のユーザー数をはじめて公表、日本が最大の伸び率を示している、と報じられました。事実、アクティブユーザーの約90%がモバイルからアクセスしています。しかし全世界ベースでは、新規ユーザー数は頭打ちとなっており、北米では苦戦を強いられているのが現状です。
その一方で、いま大きな成長を見せているSNSといえばInstagram。昨年9月には月次アクティブユーザーが4億人を突破し、これはTwitter の3億1000万人を大きく上回っています。Instagramの広告売上は今年15億ドルを超え、2017年には28億ドルに届くと予想されています。昨今のモバイル動画の潮流もあり、Instagramは今後さらに波に乗っていくサービスだと予想できます。
北米のSNS戦争から何がみえるか?
以上、北米のSNSの利用状況いついて簡単にレポートしましたが、Twitterがライフラインになっている日本とはかなり状況が違い北米ではFacebookが絶好調なのがわかります。
いずれにせよモバイル広告を収益モデルとして、どれだけ取り込めるが今後の覇者争いを決める大きな要因と言っても過言ではありません。
モバイル広告、とりわけネイティブアドという意味では、Googleの動向も気になるところです。現在、世界で時価総額1位の会社はGoogleを母体とするAlphabetですが、GoogleはSNSの分野において成果を出しきれずにいます。Google+は、一見、ユーザー数においては伸びているようにも報じられていますが、方針変更等を度々行っていてFacebookに苦戦を強いられています。
またスマホの台頭後、Googleの検索クエリ数はピークを越えて減少傾向にあり、モバイル広告で成長余地の大きいFacebookに対してGoogleがどのような戦いを挑んでくるのか、今年は是非注目したいところです。