2016年3月1日 トレンド

北米市場に学ぶ、今押さえておきたいインフルエンサーマーケティング最新動向

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ユーザーが「商品を買おう」と思い立った際、企業の広告よりも自分たちと同じ立場である消費者から発信された「クチコミ」に基づき、商品の価値を見極める傾向が年々強くなっています。
そこで影響力を持つキーパーソンと協力し、商品やサービスのPRを行う「インフルエンサーマーケティング」を積極的に利用する企業が増えています。
 
米調査会社eMakerterは、北米企業に対する調査について「現在インフルエンサーマーケティングはブランディングにおいて非常に重要な役割を果たしている」として、クライアント企業もインフルエンサーとの関係構築にとても意欲的であることをレポートしています。
本記事では従来の「商品を渡して宣伝してもらう」というやり方とは大きく変わってきている、現在のインフルエンサーマーケティングについてご紹介していきたいと思います。

 

重視されるのはコンテンツの手法と信頼関係

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まず挙げるのは、今注目される「動画コンテンツ」。
最も効果があるのは「Facebook上でタップされるのは10〜30秒程度の動画」と伝えられています。30秒前後の短い時間内に伝えるべき内容をしぼり、コンパクトに紹介しなくてはなりません。
また、かつて課題であったインフルエンサーの発掘においても、現在は案件によって最適な人材を紹介できるエージェンシーの数が増加しています。これはキーパーソンの発見や交渉の労力が減ったぶん、インフルエンサーに対し(商品やサービスの提供ではなく)正当なギャランティを用意する必要があることを意味しています。

つまり、単にインフルエンサーの起用のみで満足するのではなく、ユーザーが閲覧しやすく、かつ楽しめるよう工夫を凝らしたコンテンツを用意せねばならないということ。そして、対等なビジネスパートナーとしてインフルエンサーと信頼関係を持つという点が大きな変化といえるでしょう。

 

インフルエンサーの世界観を損ねないコンテンツ作りがカギ

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そもそも、なぜインフルエンサーはここまで強い影響力を持つのでしょう?
それは彼らがその周囲のファン(ユーザー)と同じ目線を持っているため。
そこで発信されるコンテンツは、押し付けがましくなくセクシー(自然体)であり、魅力的に映り、共感を呼びます。つまりインフルエンサーマーケティングとは「ユーザーが発信するコンテンツ」なのです。
 
インフルエンサーとその周囲のファンを巻き込むためには、単なる商品訴求では効果はありません。彼らのライフスタイルやコンテキストを理解し、その世界観に違和感なく入り込んでいく姿勢や努力が求められます。これはコンテンツマーケティングの手法のひとつである「ネイティブアド」と同様です。ネイティブアドは、広告を掲載するメディアの姿勢を尊重した記事を制作することで、初めてそのメディアのファンに受け入れられ、効果を発揮します。ですから起用の際に本人の魅力を損なうコンテンツにしては本末転倒。最悪のケースとして「ステマ」と認識され「炎上」につながる可能性にも配慮しなくてはいけません。
 
インフルエンサーたちと信頼関係を構築することで、消費者の目線を重要視したブランドであるとされ、ブランド価値そのものの向上にもつながるというわけです。
そのためには単純にフォロワーが多いインフルエンサーをチョイスするのではなく、自分たちのブランドに適しているインフルエンサーの見極めも必要。それは決して一朝一夕で成せるものではありません。インフルエンサーとそのフォロワーを巻き込む環境を作るセンスと根気が、いま求められているといえるでしょう。

Yoichiro Shiba

ファウンダー兼CEO

大手シンクタンクにて金融機関むけのシステムコンサルティング業務に従事後、ソフトバンクにて海外ベンチャーキャピタルとの折衝、投資案件のデューデリを担当。当時ソフトバンクグループ会社内の最年少役員。その後、一部上場企業を対象に投資事業ポートフォリオ再編、バイアウトのアドバイザリー業務を提供、複数のIT企業の役員歴任。ロータリー財団の奨学生としてドイツBielefeld大学にて社会哲学を専攻。

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